緑化したジャガイモは?
ジャガイモの土寄せをしなかったり、
収穫した後、日向で保存すると表面が緑色になることがあります
同様にスーパーで購入したジャガイモが、最初から緑色のこともあり、
保存しているうちに緑色になってしまうことがあります。
これはジャガイモが緑化した状態です。
では、この緑化とはいったいなんなのでしょうか。
緑化したジャガイモは、食用やタネイモとして利用できるのでしょうか。
[緑化したジャガイモは?]
■緑化とは?
ジャガイモの緑化とは、名前の通り緑色に変色することです。
本来、ジャガイモの皮や中の肉色は、茶色や薄い黄色、白などで、
緑色であることはありません。
最近人気のある、色の濃いジャガイモでも皮が赤や紫、
中が濃い黄色や紫というものがありますが、緑色というものはありません。
ジャガイモが緑化するのは、光が当たるためです。
スーパーで買ったジャガイモも、自宅で育てたジャガイモも、
光に当てているとしだいに緑化してしまいます。
緑化は、ジャガイモそのものの良し悪しでなるのではなく、
保存状態によって起こる現象なのです。
明るい場所で保存していれば、おいしいジャガイモも、緑化してしまいます。
そのため、ジャガイモを保存する場合は、暗所であることが条件となります。
では、ジャガイモが緑化すると何が問題になるのでしょうか。
ただ色が変わるだけなら、何も問題にはなりません。
ところが、最近は栽培したジャガイモを食べて、
食中毒になったというニュースを耳にすることがあります。
これは、ソラニンという毒が緑化した部分に含まれるからです。
ソラニン自体は、あらゆるものに含まれている成分ですが、
少量であれば食べても問題ありません。
ところが、大量に口にすると、嘔吐などの症状が出て食中毒となることもあります。
緑化しているジャガイモは食べてはいけません
■食用にできる?
また、緑化した部分には有毒なソラニンが多く含まれるので、食用にはできません。
けれど、表面が緑色になっているだけなのであれば、
緑化した部分を取り除くことで、残りは食用にすることが可能です。
ジャガイモの芽には毒があると、調理する時には取り除いてきましたよね。
それと同じ感覚で、緑化した部分も丁寧に取り除きましょう。
表面が薄く変色しているなら、ピーラーなどで厚めに皮をむけば、事足ります。
もし中心近くまで緑化していたら、諦めましょう。
どうにか食べられる部分だけでもと、頑張って緑化した部分を取り除いても、
残るのはわずかであることが多い上に、有毒な成分が残っていないとも限りません。
もったいないように思えますが、体調が悪くなる前に、処分しておきましょう。
緑化している部分は、口にすると苦みやえぐみがあります。
これは茹でてもすべて抜けるわけではないので、食べるとすぐに分かります。
丸ごと茹でて潰すと、中心が緑化していることに気づかないことがありますが、
もし食べて変な味がすれば、食べるのをやめておいた方が良いでしょう。
食べた後に気分が悪くなったり、嘔吐したりと、
体調に異変があった場合は、すぐに病院へ行って診察を受けましょう。
■タネイモとして利用できる?
タネイモとして購入してきたジャガイモも、緑化はします。
購入した時から変色していることもありますし、
芽出しするために光に当てているうちに変色することもあります。
いずれにしても、タネイモとして利用する場合は、緑化しても問題ありません。
芽出しの作業は、時期や環境にもよりますが、だいたい1ヶ月近くかかります。
その間、日当たりの良い場所にわざわざタネイモを置いているのです。
光に当たることで緑化するため、芽出し作業を行えば、緑化するものがほとんどです。
緑化したタネイモから育てても、
収穫したジャガイモに多量にソラニンが含まれるということはありません。
収穫まで土寄せをしてイモが露出しないように注意し、
収穫後も暗い場所で保存していれば、緑化することなく食べることができます。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方