ジャガイモ 褐色心腐
褐色心腐のジャガイモ
ジャガイモは、貯蔵性が高く、さまざまな調理法で料理に使えるということで、
家に常備しているという方も多いでしょう。
ジャガイモを自分で育てることで、さらにジャガイモを楽しんでいる方もいます。
しかしジャガイモを調理する時、切ると中が変色していることがあります。
茶色く変色しているのは、褐色心腐(かっしょくしんぐされ)と呼ばれる症状かもしれません。
ジャガイモが褐色心腐になるのは、いったいどうしてなのでしょうか。
[ジャガイモ 褐色心腐]
■主な症状
・イモの中心が変色
褐色心腐の症状は、おもにイモの内部の変色です。
ジャガイモを切った時、中心に近い部分が、褐色になっているのであれば、
ほとんどの場合が褐色心腐です。
色は、淡い褐色の場合もあれば、やや濃いめの褐色の時もあります。
ジャガイモの品種によっては、少し赤みを帯びていることもあります。
よく似た生理障害に、黒色心腐がありますが、色がまったく異なります。
黒色心腐は、はっきりとした黒に近い色をしているので、見分けるのは簡単です。
また、褐色心腐は、正常な部分と変色した部分の境目が曖昧になるのも特徴です。
変色は維管束を中心に起こるので、
外から症状が出ているかどうか判断することはできません。
■主な原因
・高温乾燥
褐色心腐の主な原因は、高温乾燥によるものです。
春ジャガイモの場合、肥大期が初夏頃になるため、
その年の天候や地域によっては、高温になりやすいことがあります。
急な高温は乾燥を招きやすく、しかもうっかりして潅水を怠ることも多いため、
褐色心腐の症状が出やすくなります。
・急速な肥大
高温乾燥以外の原因としては、急速な肥大があります。
新しくできたイモが急激に大きくなることによって、細胞の生成がスムーズにいかず、
そのしわ寄せとして褐色心腐の症状が出ます。
急激な肥大の原因としては、多肥などがあります。
■対策
・乾燥時の潅水
ジャガイモ栽培では、潅水をやや控えめにすることが多いです。
特に地植えで育てている場合は、よほどのことがない限り、
降雨だけで済ませる場合も多いでしょう。
けれど、イモが肥大してくる時期は、
急な高温や強風による乾燥が起こることがあります。
この時、土が乾いているのに潅水せずに放置していると、
褐色心腐の症状が出やすくなり、収穫後に症状が発覚してがっかりします。
近年は異常気象に陥ることも多く、いつなんどき、潅水不足になるか分かりません。
容器栽培、地植え栽培に関わらず、こまめに見回りを行い、
土が乾燥していると感じたら、水やりを行いましょう。
ただし、収穫の時に土が濡れていると、収穫後の貯蔵性が落ちます。
収穫直前になったら、むしろ土を乾かすように管理しましょう。
・適切な施肥
褐色心腐の原因の1つである、急激な肥大の原因は、多肥です。
ジャガイモは、あまり多肥にしないのも、栽培のポイントです。
イモが肥大する時期に合わせて、肥料を多く与えてしまうと、
急激な肥大によって、褐色心腐の症状が出やすくなります。
また、二次肥大によって形がいびつになったり、
他の生理障害の原因になることもあるので、施肥のタイミングや量には注意します。
■判断基準
褐色心腐自体は、重篤な病気というわけではありません。
黒色心腐と違い、変色している部分を含めて、食べることができます。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方