ジャガイモ 疫病
タネイモを植え付けたら、病害虫の異常がないか毎日観察しましょう
ジャガイモ栽培で、最も注意が必要な病気がジャガイモ 疫病です。
疫病は感染スピードが早く、とても厄介です。
症状を把握すると、進行状態によっては治療が可能な場合もあります。
疫病についての情報を頭に入れておき、早期発見をすると良いです。
[ジャガイモ 疫病]
■症状
疫病の症状はまず地上部の茎葉に出ます。
葉に水がしみたような、濃いグレーから茶色の病斑が出ます。
病斑の形はキレイな円形ではなく、縁もぼんやりとしているのが特徴です。
茎にも似たような病斑ができます。
病斑は最初、小さな点ですが、だんだんと広がり大きくなっていきます。
葉の表面にはこういった病斑ができますが、
葉の裏側を見てみると、病斑のできている部分に、
白いカビのようなものが発生しているので、疫病と分かります。
乾燥した環境では、病斑部分が乾いたようになり、しおれる症状が出ます。
症状が進むと、地上部だけではなく、地下のイモにまで症状が出始めます。
イモの表面は黒っぽく変色し、イモの内部まで変色が進みます。
■原因
ジャガイモ 疫病は、病原菌が葉などの裏側から侵入することで感染します。
病原菌は、湿度の高い場所で活動が盛んになるため、
長雨の続く時期や、排水の悪い場所では発生が多くなります。
雨が降ると、土が湿って活動が盛んになり、さらに泥跳ねによる感染も増え、
葉裏の胞子が飛んで拡散し、長雨の後に急激に感染が拡大するケースがあります。
排水が特に悪くない場所でも、雨や水やりの時に泥が跳ね、
その泥が葉の裏などに付着することで、土中の菌が入ることもあります。
また、窒素が多い状態でジャガイモを栽培すると、
株全体が軟弱に育ち、感染する確率が高くなります。
■対策
ジャガイモ 疫病はとても厄介な病気ですが、注意していれば防除できる病気です。
また、早い時期に対処することで、治療できることもあるので、
栽培中はこまめに見回りをすることも大切です。
芽出し中の健康なタネイモ
・健全なタネイモを使う
ジャガイモ 疫病の病原菌は、感染した株の残渣だけでなく、イモにも残ります。
そのため、すでに感染しているタネイモを植えてしまうと、
そのまま疫病に感染した株となってしまいます。
感染株がそのまま枯れるだけならまだ良いですが、
そこから周りの株へと感染が広がることがあるので要注意です。
・適切な施肥
窒素過多によって発生が増える傾向があるので、
元肥や追肥に使う肥料は、窒素が多すぎるものは避けるようにしましょう。
基本は、窒素・リン酸・カリが同等のものを使うようにすると、失敗が減ります。
・排水を整える
ジャガイモ 疫病は、排水不良によって、菌が増殖し、活動量が増えます。
もともとジャガイモは水はけの良い土を好みますから、
土作りの段階で水はけの良い土に調整しておきましょう。
腐葉土などを足しても、どうしても排水が気になる場合は、
地植えの場合、高畝にするなどすると、水はけが良くなります。
・薬剤治療
葉に少量の病斑が出たくらいまでであれば、薬剤で治療することができます。
ジャガイモ栽培では、ダコニールやフロンサイドなどが使えます。
ただし、薬剤治療はあくまでも初期に有効な手段です。
症状が進んでいたり、症状が出てから何度か雨が降っているのであれば、
手遅れである可能性があります。
・残渣の処分
残渣とは、野菜ならば、葉や茎、根の不要な部分のことです。
ひどい疫病の症状が出ている場合は、すぐに掘り上げて処分してしまいましょう。
そのまま畑に残しておくと、そこが感染源となり、周りの株に広がってしまいます。
疫病は同じナス科の野菜にも感染することがあるので、
周りにジャガイモ以外のナス科野菜を育てている時も要注意です。
また、病原菌は感染した株の枯れた茎や葉、根にも残ります。
掘り上げて処分する時は、畑に残渣が残らないようにしましょう。
すでに小さなイモがストロンの先にできている場合、茎を引っ張って取り除くと、
ストロンが切れて土の中にイモが残ることがあります。
この残ったイモの中にも菌が残っている可能性があるため、
掘り上げた後も、イモなどの残りがないかを丁寧にチェックします。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方
