ジャガイモ モザイク病
ジャガイモ モザイク病と思われる病斑
モザイク病は、さまざまな植物がかかる病気で、ジャガイモもかかることがあります。
モザイク病にかかったジャガイモには、どのような症状が出るのでしょうか。
また、原因、防除法、対処法をご紹介していきます。
[ジャガイモ モザイク病]
■症状
モザイク病にかかったジャガイモは、他の健全な株に比べると、
生育が悪く、全体的に小さいことが多いのが特徴です。
また、葉をよく見ると、くしゃくしゃと縮れたようになっていたり、
葉色に濃淡ができて、まだら模様になり、モザイク柄になることもあります。
他にも、葉に小さな黒っぽい病斑があらわれたりすることもあります。
葉に病斑ができる他の病気と区別が難しいこともありますが、
病斑自体は小さいことと、株の生育の悪さで見分けることができます。
また、モザイク病の原因となる菌には、3つの系統があり、
Xモザイク・Sモザイク・Yモザイクに分けられます。
出る症状は似ていますが、Yモザイクのみ塊茎にえそ症状が出ます。
■原因
ジャガイモ モザイク病は、系統によって感染経路が少しずつ異なります。
Xモザイクは、タネイモと感染イモから出た汁によって感染しますが、
虫による媒介はされません。
Sモザイクも、タネイモと汁によっての感染が多いのが特徴です。
アブラムシによる媒介もありますが、タネイモや汁による感染より弱いです。
Yモザイクは、タネイモと汁、それからアブラムシによって媒介されて感染します。
どの系統も、単発で感染するわけではなく、複数の系統が感染することもあります。
複数の系統に感染したものは、症状の進み方が早く、症状も複合的になります。
食用にする保存イモとタネイモは分けておきます
■対策
どの系統のモザイク病にかかったとしても、
感染経路として考えられるのは、タネイモと感染株の汁とアブラムシです。
そのため、この3つをできるだけ排除することで予防します。
残念なことに、モザイク病は感染してしまうと、
薬剤等を使っても治療することができません。
まずは感染させないことが第一となります。
もし感染株を見つけた場合は、すぐに掘り上げて処分しましょう。
放っておくと、周りの株に感染して被害が拡大してしまいます。
・アブラムシの防除
アブラムシは、見た目ではどれがウィルスを持っているのか分かりません。
もしウィルスを持っていなくても、放っておくと増殖し、株が弱ってしまいます。
薬剤を使用せずに栽培する場合は、葉裏や新芽部分などをよくチェックします。
少量であれば、粘着テープにくっつけて捕殺します。
水で吹き飛ばすこともできますし、
ストチューなどの自然農薬を使って防除することもできます。
また、薬剤の防除も可能なので、発生が多くなる場合は検討しましょう。
健全なタネイモを植えましょう
・健全なタネイモを植える
モザイク病に感染したタネイモを植えると、感染した状態のまま育ちます。
その株の葉にアブラムシがついたり、
その株の芽かきなどを行った手で他の株に触れたりすると、
そこから感染が広がるケースがあります。
市販されているタネイモは、すでにモザイク病の検査が済んでいるはずなので、
そういった安全なタネイモを使用します。
・タネイモと保存イモを分ける
ジャガイモ タネイモを購入した時期が早い場合、少しの間保管しておくことがあります。
その時、保存中の食用ジャガイモとは別の場所に置いておきましょう。
モザイク病に感染していても、食べる分には問題ありません。
そのため、食用のために保存しているジャガイモの中には、
もしかするとモザイク病のものが混ざっている可能性があります。
ジャガイモ モザイク病に感染したジャガイモが、何らかの理由で割れたり、
傷んだりした時、汁が健全なタネイモに付着すると、感染するのです。
また、健全なタネイモと食用のイモが混ざらないよう、
箱などもラベルを貼るなど、確実に分けておきます。
・道具を消毒する
ジャガイモ モザイク病は、感染した株の汁からも他の株へ感染します。
そのため、感染株に使ったハサミや、感染したイモを切ったナイフなどで、
別の株を切れば、感染原因となります。
タネイモを切るための包丁と調理用の包丁を分けたり、
道具は常に消毒するようにしておくと安心です。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方
