トヨシロ
トヨシロ C)ベジプール
トヨシロは、ジャガイモを使ったスナック菓子を多数出している、
カルビーでも使われているジャガイモ品種です。
油での加工に特に向いているといわれるトヨシロには、
どのような特徴があるのでしょうか。
[トヨシロ]
・登録年 1976年
・登録番号 ばれいしょ農林21号
・作型 春作
・主な産地 北海道
・特性 煮崩れしにくいやや粉質
・栽培難易度 中級
■トヨシロの特徴
・豊産で白いトヨシロ
トヨシロの名前は、たくさん収穫できて豊産であることから「豊」と、
肉色が白く調理しても色が黒くならないことから「白」を合わせてつけられました。
表面は少しごつごつしているものの、全体的には扁平な形でやや楕円形をしていて、
イモ1個の大きさも程よいです。
新しいイモの肥大が良い品種なので、家庭菜園で栽培する場合でも、
大きなイモが収穫できます。
表皮は淡い黄褐色で、表面にうっすらと網目状の模様が入ることがあります。
網目状といっても、パッと見てすぐに分かるようなものではなく、
ごく薄く粗い網目となっています。
・目が浅く油加工に向く
トヨシロは、見た目が少しごつごつしているものの、目の数がそれほど多くなく、
しかも深くないので、皮むきはあまり面倒ではありません。
トヨシロは、ポテトチップ加工の主原料として、現在も多く栽培されています。
ジャガイモの品種によっては、油で揚げた時に肉色が黒っぽくなったり、
色が悪くなることがありますが、トヨシロは持ち前の白い肉色をほとんど変えません。
揚げ色がキレイに出るので、市販されているポテト加工菓子にもよく使われています。
日本でも有数の菓子メーカーであるカルビーも、じゃがりこやJagabeeなどの主力商品に、
トヨシロを使用しています。
長期保存ができるタイプの品種なので、春のみの栽培となります。
本来はあまり糖度が高くない品種なのですが、長期保存中に糖還元が起こり、
糖度が少し上がります。
こうなると、油で揚げた時に通常の良さを発揮できないため、
長期保存後の油加工には向きません。
・粉質なのに煮崩れしにくい
トヨシロは油加工に向く品種ですが、油加工以外の料理にももちろん使えます。
やや粉質のため、加熱した時にほくほく感が出るものの、煮た時に煮崩れがしにくいので、
揚げ物はもちろん、炒め物や煮物などにも使えます。
ただ、煮崩れしにくいのであって、煮崩れしないわけではないので、
あまり長時間煮込むのには向いていません。
トヨシロ C)ベジプール
■トヨシロの栽培のポイント
・病気に少し弱い
トヨシロは幅広い料理に使え、収量も多く優良な品種ではありますが、
少々病気に弱いところがあります。
疫病に抵抗性はあるものの、軟腐病や黒あざ病、葉巻病などには少し弱いです。
ただ、粉状そうか病にはやや強く、男爵薯より強いです。
ジャガイモシストセンチュウの被害を受けることもあるので、
栽培時は病害虫の防除が必要となります。
・大イモに注意
トヨシロはイモが肥大しやすい品種のため、
家庭菜園でもある程度の収量が期待できますが、
反対にイモが大きくなりすぎることがあります。
イモは大きければ大きいほど良いと思われますが、あまり大きくなりすぎると、
イモの中心に空洞ができる場合があります。
トヨシロの場合、1個のイモ重が300gを超えると、中心空洞が起こりやすくなります。
マルチ栽培や窒素過多の土地では大イモになりやすいので、
水や肥料の管理に注意します。
・花は白色
トヨシロは、肉色が白なのと同じように、白い花が咲きます。
花が咲く時期は株が異なっても揃いやすいので、たくさん栽培しているエリアでは、
純白の可愛らしいトヨシロの花を楽しむことができます。
トヨシロ 種芋 C)グラントマト
■トヨシロのオススメの食べ方
油で揚げたり煮たりしても変色しにくく、色白の美しい肉色を維持できます。
粉質でありつつも煮崩れしにくい性質を持っているので、ポテトチップだけでなく、
色々な料理に使うことができます。
ポテトチップやフライドポテト、ベイクドポテトなどであれば、
トヨシロのさっぱりとした食味をシンプルに楽しめます。
煮崩れしにくいので煮物などにも使えますが、じっくりと煮込むというよりは、
シチューやカレー、味噌汁など、煮込み時間があまり長くない料理にお勧めです。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方