さんじゅう丸
さんじゅう丸
さんじゅう丸は、春と秋の両方の栽培に向くジャガイモです。
さんじゅう丸の特徴と、栽培のポイントなどをご紹介します。
[さんじゅう丸]
・登録年 2011年
・登録番号 ばれいしょ農林63号
・作型 春作、秋作
・主な産地 九州地域
・特性 煮崩れしにくいやや粘質
・栽培難易度 中級
■さんじゅう丸の特徴
・煮崩れしにくい粘質タイプ
さんじゅう丸は、メークインと男爵の中間のような見た目をしています。
男爵よりも卵形で少し長く、
メークインに比べると短く寸詰まりになったように見えます。
芽はメークインに似ていて浅めで、表面の皮はつるっとしています。
芽が浅いと皮が剥きやすいので、調理する方にとっては嬉しいポイントです。
肉質はメークイン寄りで、粘質タイプとなります。
粘質タイプは煮崩れしにくく、煮物などの調理に使うととてもおいしく仕上がります。
ただ、メークインよりも粘質が弱いので、
長時間煮込むような料理に使うと、表面が崩れてしまうことがあります。
おでんなど、煮汁の透き通った状態を保ちたい料理の場合は、
表面が崩れることで煮汁が濁るおそれがあるので、
すでに火を通したさんじゅう丸と、
食べる直前に煮汁に入れて温める食べ方が良いでしょう。
・1個が大きく多収穫
さんじゅう丸は、1個が130g前後です。
秋作が可能な品種はいくつかありますが、
代表的な品種であるデジマと比べると、1個が大きいのが特徴です。
1個のイモが大きいため、全体の収量はデジマよりも多くなる傾向があります。
デジマはどちらかというとほくほく系の粉質タイプなので、
秋作で粘質タイプのジャガイモを育てたいのなら、さんじゅう丸はオススメです。
育て方はそれほど難しいわけではないので、家庭菜園でも育てることができます。
もしタネイモを見つけたら、チャレンジしてみると良いでしょう。
・病気に強い
さんじゅう丸はそうか病に強い性質があります。
さらにセンチュウにも抵抗性があり、青枯病にも中程度の抵抗性があり、
病気に強く育てやすい品種となっています。
■さんじゅう丸の栽培のポイント
・とり遅れによる腐敗に注意
さんじゅう丸は1個が大きく育つ品種のため、できるだけ大きく育てようと、
収穫期がきているのに長く土の中に置いておこうとする場合がありますが、
これは、やめておいた方が良いです。
さんじゅう丸は確かにイモが大きくなる品種なのですが、性質としては中晩生です。
デジマなどのような晩生種と比べると早めに収穫が可能なのです。
いつまでも土の中にイモを残していると、腐敗の原因となり、
結局は収量が減ってしまうことにもなるので、適期に収穫するのが大切です。
・早植えによる腐敗にも注意
秋植えジャガイモとしてさんじゅう丸を育てる場合、
植え付け適期よりも早く植えてしまうと、
土の中でタネイモが腐敗する原因となります。
秋植えは植え付け時期に注意しないと、
土中が高温となり、中で蒸れたタネイモが腐ることがあります。
タネイモが腐る現象は、秋植えジャガイモの失敗の1つでもあるので、
早植えは避けて植え付け適期に植え付けを行うことが大切です。
・風対策をしておく
さんじゅう丸は、特別枝が長く伸びる品種というわけではありませんが、
風によって枝葉が傷みやすいところがあります。
地下のイモを大きく育てるためには、地上の枝葉の生長が大きく関わってきます。
枝葉が風によって傷つけば、それだけ栄養を作ることができなくなり、
地下のイモの育ちが悪くなります。
支柱や紐を使い、枝が風に強くあおられないようにしておきましょう。
さんじゅう丸は、肉じゃがに最適です
■さんじゅう丸のオススメの食べ方
さんじゅう丸は、やや粘質タイプの品種です。
男爵よりも粘質なので、煮崩れしにくいです。
ただ、メークインよりも粉質な面があるため、表面が崩れることがあります。
その分、味が染み込みやすいので、肉じゃがなどの料理に向きます。
コロッケなどのイモを潰すような料理は、粘りが出やすくなるので、
完全には潰さず、粒を残した状態にすると良いでしょう。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方