ジャガイモ 秋植え
ジャガイモ栽培の醍醐味は、収穫ですね!
■ジャガイモ 栽培暦
■植え付け ■発芽 ■収穫
■ジャガイモ 栽培データ
英名・学名 potate・solanum tuberosum L.
形態 多年草
原産地 南米アンデス山脈高地
草丈/樹高 60cm~70cm
収穫期 11月下旬~12月上旬(地域・作型による)
栽培難易度(1~5) 3
耐寒性 やや弱い
耐暑性 弱い
特性・用途 食用にできる、貯蔵中に甘みや旨みが増す
ジャガイモは春植えが一般的ですが、
地域によっては秋にも栽培することができます。
秋植えジャガイモは、甘みや旨みが増し、貯蔵性も高いです。
秋植えならではの特徴や、栽培のコツをご紹介します。
[ジャガイモ 秋植え]
■秋植えジャガイモの長所・短所
秋植え栽培といっても、基本的な栽培法は春植えと変わりません。
けれど、秋植えには秋植えの長所・短所があります。
*なお、ジャガイモ栽培の流れと詳細は下記もあわせてご覧ください。
>>ジャガイモ 地植えの栽培
・貯蔵中に甘みが増す
秋植えのジャガイモは、収穫時期は冬となるため、低温での貯蔵が可能です。
ジャガイモやサツマイモなど、でんぷん質の多い野菜は、
低温で貯蔵することで、でんぷん質が糖に変化し、甘みが強くなります。
秋植えのジャガイモは、貯蔵することで甘みや旨みを増すことができます。
なので同じ品種を栽培しても、春植えと秋植えとでは味が異なることがあります。
秋植えジャガイモの甘く美味しいポテトサラダ
秋植えなら、デジマが育てやすく多収穫で美味です(デジマタネイモ1キロ)
・選べる品種が少ない
春植えはほとんどの品種を栽培することができますが、
秋植えは限られた品種しか育てることができません。
秋植えに適した品種は、休眠期間の短いものに限定されます。
秋植え品種は、デジマ、ニシユタカ、農林1号、普賢丸、アンデス赤、
休眠期間の長い品種だと、休眠がとけず、
タネイモを植え付けても芽が出ないことがあります。
芽が遅れて出ても、生育期間が短すぎて、
イモがぜんぜん収穫できないこともあるので、
秋植えに適した品種を植える必要があります。
・寒冷地では栽培できない
春植えはどの地域でも栽培できますが、秋植えは寒冷地では栽培ができません。
寒冷地は他の地域に比べると、気温が下がるのが早く、冬の到来も早いです。
ジャガイモは春や秋のような陽気を好みますが、冬の寒さは苦手です。
霜にあたると途端に地上部が枯れてしまうので、
寒冷地のような寒い地域で秋植えのジャガイモを育てると、
栽培期間が短くなってしまい、収量が極端に減ります。
秋植えのジャガイモができるのは、中間地~暖地となります。
花も可愛らしく楽しめます
■秋植えジャガイモの栽培時期
秋植えのジャガイモの植え付け時期は、
中間地なら8月下旬~9月上旬、暖地なら9月上旬~9月下旬が適期です。
中間地くらいであれば、8月下旬くらいから、やや涼しい日もありますが、
暖地ではまだまだ暑い日が続きます。
そのため、暖地で秋植えのジャガイモを育てる場合は、9月に入ってからが良いです。
暖地は気温が低下して寒くなるのが遅いので、9月中の植え付けでも十分間に合います。
収穫時期としては、どちらも11月中旬~12月頃となります。
■秋植えジャガイモの育て方のコツ
基本の育て方は同じでも、注意したい点は異なります。
秋植えの育て方のコツをご紹介しましょう。
・タネイモは切らない
春植えではタネイモを切って植え付けることができますが、
秋植えでは切らずに植え付けたほうが安心です。
ジャガイモは調理したものをは、ほくほくとして水分が少なく思えますが、
生の状態では意外と水分が多い野菜です。
イモの中にたっぷりの養分や水分を含んでいるため、
切ってしまうと断面から傷みやすくなります。
秋植えで育てる時、植え付け時期はまだ気温が高い場合が多いでしょう。
そんな時に傷みやすい状態でタネイモを植え付けると、
土が高温で、さらに傷みやすくなってしまいます。
秋植えの場合は、タネイモを切らず丸ごとの状態で植え付けるのが良いです。
タネイモが大きく切り分ける場合は、切って2日ほど風通しの良い場所に置き、
切り口に「じゃがいもシリカ」などをまぶして植え付けます。
じゃがいもシリカ
・高温に注意
秋植えで育てる場合、9月頃に植え付けても、残暑がきついことがあります。
日差しも春より強いことがあるので、高温に注意します。
春植えでは、地温を上げるため、ビニールマルチを利用することがありますが、
秋植えでは高温になる可能性があるため、避けた方が良い場合があります。
特に暖地など、寒くなるのが遅い地域では、
マルチがなくても生育するのに十分な時間がとれるので、
ビニールマルチが必要ない場合が多いです。
どうしても栽培後半に地温を確保したい場合は、ビニールマルチをした上に、
ワラなどのマルチをすると、黒マルチに直射日光が当たるのを防ぐことができ、
マルチ内の温度をできるだけ上げないようにすることができます。
気温が低くなってきたら、ワラを取り除いて、
黒マルチに直射日光を当てることで、地温を上げて後半の生育を促せます。
株間25㎝でだいじょうぶです
・株間を少し狭くしても良い
春植えの場合は、イモが熟すことで地上部が枯れはじめますが、
秋植えの場合は、寒さに当たることによって、地上部が枯れることがあります。
イモの熟度ではなく、気温の低下によって地上部が枯れるため、
イモが十分に肥大していないことが多く、
春植えよりも小ぶりに育つことが多いのも秋植えの特徴です。
また、日照時間が徐々に短くなるため、栽培後半の光合成量も減ることがあります。
光合成する量が減れば、生成される養分も減るため、
春植えほど立派なイモに育たないというケースもあります。
いずれにせよ、春植えよりも小ぶりに育つことが多いため、
少しだけ株間を狭くすることができます。
春植えの株間の基準は30cmですが、
秋植えの場合は25cmくらいまで狭くしても良いでしょう。
標準プランターにタネイモ1個で約10倍の収穫でした
・ジャガイモ栽培の基本はしっかり
芽かき、土寄せ、追肥をしっかりと行います。
どの作業も簡単ですがな作業ですが、適期や方法を間違えると収穫に悪影響が出ます。
>>ジャガイモ 土寄せ方法
>>ジャガイモ 芽かき方法
>>ジャガイモ 肥料
■秋植えジャガイモの保存法
秋植えのジャガイモの場合、収穫するのは冬です。
ジャガイモは夏の暑さも苦手ですが、冬の寒すぎる環境も苦手です。
おいしいジャガイモを長持ちさせるためには、
どのように保存するのが良いのでしょうか。
・凍らせない
秋植えのジャガイモを保存する時に気になるのが、低温に当たることです。
ジャガイモは5度以下の低温に当たったり凍ってしまうと、
食味が悪くなりますし、貯蔵性が低下します。
光に当たると緑化するので、春植えと同じように冷暗所に置きます。
段ボール箱に厚めに新聞を敷き、その中にジャガイモを入れ、
フタとして新聞紙をかぶせます。
暖房のついていない暗い室内に置くことで、
光を遮断し、暖房の熱でジャガイモが傷むのを防げます。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方