普賢丸
普賢丸
普賢丸(ふげんまる)は、比較的新しい品種です。
休眠期間が短いため、春作と秋作の二期作が可能となっています。
そんな普賢丸の特徴や栽培のポイントなどをご紹介します。
[普賢丸]
・登録年 1997年
・登録番号 ばれいしょ農林39号
・作型 春作、秋作
・主な産地 二期作可能な暖地、温暖地
・特性 粉質で煮崩れしやすいが潰すと粘りが出やすい
・栽培難易度 中級
■普賢丸の特徴
・センチュウと病気に強い
普賢丸は、暖地・温暖地向きの品種では初めての、
センチュウに抵抗性を持った品種です。
ジャガイモ栽培では、センチュウによって収量が半減するなどして、
時に大打撃を受けることがあります。
そのため、センチュウに対して抵抗性がある品種というのは、
どの作型で育てられるジャガイモであっても、重要です。
また、モザイク病や葉巻病といった病気にも強い性質があるので、
安心して栽培することができます。
・デジマとの違い
普賢丸は、同じく二期作が可能な品種「デジマ」とよく似ています。
パッと見ただけでは、どちらも同じように見えますが、少しずつ特徴は異なります。
デジマに比べると、普賢丸の方がイモの形が丸っこく、皮の色が薄いです。
さらに肉色がデジマよりも黄色が濃い色をしているのが特徴です。
皮はどちらも薄く、しかも目が浅いです。
普賢丸は頂部の目がやや深くなっていますが、
他の目が浅いので、皮は非常に剥きやすいです。
ジャガイモの皮が剥きやすいかどうかは、調理する人間にとっては意外と重要です。
皮剥きが苦手な方にとっては、皮むきの作業がとてもストレスになるため、
剥きやすい品種を無意識に選ぶこともあるほどです。
普賢丸は、デジマと同じくらいの大きさか、
あるいは少し小ぶりくらいの大きさに育つことが多いようです。
収量もあまり変わらないか、普賢丸の方が1個のイモの大きさが小さい分、
少なくなることがあります。
デジマよりもイモの熟期が早いので、初心者でも育てやすい品種となっています。
・粘質で煮崩れる不思議な肉質
普賢丸が面白いのは、実際に調理した時です。
粉質であるデジマとよく似ているため、普賢丸も粉質ではあるのですが、
潰して練ってみると、途端に粘りが出てきます。
この粘りが強いため、調理法は少し限定される部分がありますが、
シンプルな料理には向いています。
油との相性があまり良くなく、ポテトチップスには向きません。
ただ、一度潰したものを丸めて揚げたり、
下茹でした普賢丸を串に刺して揚げるような揚げ料理には良く合います。
また、ジャガイモの風味はあるものの、味は意外とあっさりしているため、
コクをプラスするなら乳製品と合わせるのがお勧めです。
牛乳や生クリーム、チーズといった乳製品と合わせることで、
コクが加えられてさらに普賢丸のおいしさが引き立ちます。
普賢丸のタネイモ C)農業屋.com
■普賢丸の栽培のポイント
・強風に注意
普賢丸はセンチュウに抵抗性があり、
しかも葉巻病やモザイク病といった病気にも強いです。
ところが、強いばかりではないため、
ウィークポイントを攻められないよう、注意する必要があります。
普賢丸は青枯病と疫病に弱く、
特に強風によって枝が傷んでしまうと、軟腐病が発生する可能性が高くなります。
普賢丸がかかりやすい病気に注意し、できる限り予防につとめるようにします。
・花は咲きにくい
たくさんあるジャガイモ品種の中には、花を咲かせるものも多くあります。
色も様々で、まとまって咲いているととてもキレイです。
普賢丸も白い花を咲かせますが、蕾が開かないうちに落ちることが多いく、
きちんと開花したものを見るのは難しい品種です。
蕾が上がってきたにも関わらず、落ちてしまうことが多いですが、
調子を崩しているわけではないので、心配する必要はありません。
グラタンが美味しいですよ♪
■普賢丸のオススメの食べ方
普賢丸は粉質タイプの品種のため、煮込むと崩れやすいです。
ところが、潰すと粘りが出やすいという、個性の強い品種です。
ジャガイモの風味はあるものの、味はあっさりとしているので、
シンプルな料理に向いています。
レンジで火を通した普賢丸に、バターと塩か醤油をかけるだけでも、
とてもおいしいです。
乳製品との相性がとても良いので、ポテトグラタンがお勧めです。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方