キタアカリ 秋植え
キタアカリの収穫
キタアカリは、たくさんあるジャガイモ品種の中でも、
ほくほくとした食感がおいしく、人気のある品種です。
家庭菜園で育てるジャガイモに選ばれることも多いのですが、
キタアカリは秋植えでも育てることができるのでしょうか。
[キタアカリ 秋植え]
■キタアカリの性質
キタアカリは、男爵薯とツニカという品種をかけあわせて作られた品種です。
そのため、男爵薯特有のほくほくとした粉質の食感が強く、
ジャガイモらしい食味を楽しめます。
家庭菜園でも比較的育てやすい品種のため、人気があります。
タネイモの入手も簡単で、ホームセンターやインターネット通販なら必ず見つかります。
ジャガイモといえば、春植え栽培が基本となりますが、中間地や暖地であれば、
秋植え栽培も可能となり、年に2回の栽培ができます。
ただ、秋植え栽培を行うためには、栽培地の気候が寒すぎないことと、
ジャガイモの休眠の短さや栽培期間の短さが必要となります。
キタアカリの場合、男爵薯よりは休眠期間が短いものの、
秋植え栽培に適した品種の代表である、
デジマやアンデス赤などに比べると、やや休眠が長いです。
休眠が長いということは、秋植え栽培の時期になっても休眠がさめておらず、
植え付けても芽が出ない可能性があるということです。
芽が出れば、草勢はやや強めで芽の伸びも早く、イモのつくのも比較的早いので、
秋植えでもある程度の収量は見込めます。
キタアカリの草勢はやや強めです
■キタアカリ 秋植え
キタアカリは、本来であれば秋植えジャガイモに適していない品種ですが、
実は秋植え栽培ができる場合があります。
そのためには、いくつかのポイントを守って栽培する必要があります。
・芽が出ているものをタネイモに
キタアカリは、秋植えジャガイモにするには休眠が長いですが、
休眠の長い男爵薯などの品種と比べると、休眠が短い特性を持っています。
ということは、秋植えジャガイモの植え付け時期に、
イモから芽が出た状態となっていれば、栽培が可能ということになります。
ジャガイモは、休眠中はいくら栽培適温になっていても、芽が出ません。
反対に、栽培適温になっていなくても、芽が出ているということは、
休眠からさめているという証拠です。
秋植え栽培に使うタネイモから芽が出ているのを確認できたら、
植え付ければ栽培できます。
芽が出ないうちに植え付けると、休眠があけるかどうか分からないため、
芽も出ずに栽培が終了する可能性が高くなるので、
必ず芽が出ているのを確認してから植え付けます。
また、キタアカリは芽が出てからの伸びが早い品種です。
芽が出始めてから植え付けまでに間があくと、
芽が伸びすぎて植え付け作業中に芽が折れやすくなります。
あまり芽が長くなる前に、植え付けを済ませておきましょう。
タネイモは切らずに植えます
・タネイモは切らない
秋植えジャガイモに共通していることですが、キタアカリを秋植えで育てる場合も、
タネイモは切らずに植え付けます。
秋植え栽培では、気温が高い時期に植え付けを行うことが多いため、
タネイモを切って植え付けると、どうしても腐りやすくなります。
タネイモは切らない分、小ぶりの方がコストを安くできるので、
タネイモを選ぶ時は、小さめのものを選ぶのがお勧めです。
花も楽しめます
・土作りは酸度チェックすると安心
キタアカリは、休眠からあけていれば、生長も早くイモのつきもよいので、
家庭菜園でも収穫がしやすい品種です。
ジャガイモシストセンチュウに対して抵抗性は持っているものの、疫病やそうか病、
青枯れ病には抵抗性がないので、注意が必要です。
また、排水不良のある畑では、栽培後半に病気が多発することもあるので、
植え付け前の土作りは欠かせません。
ただし、土壌改良になるからと石灰類を多量に入れると、土がアルカリ性に傾き、
そうか病の発症する可能性が高くなります。
心配な場合は、土の酸度をあらかじめチェックしてから石灰を加えます。
石灰を加えた後も、酸度を再度チェックし、
ジャガイモが生育しやすい酸度にとどまっているかを確認しておきましょう。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方