花標津

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花標津

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花標津(はなしべつ)は、男爵に似たジャガイモの品種です。
男爵によく似た形をしていますが、よく見ると異なる点がいくつもあります。
そんな花標津が持つ特徴と、栽培のポイントなどをご紹介します。

 

 

[花標津]

 

 

・登録年 1997年
・登録番号 ばれいしょ農林38号
・作型 春作、秋作
・主な産地 北海道
・特性 やや粘質で煮崩れしにくい
・栽培難易度 中級

 

 

■花標津の特徴

 

・小ぶりでやや扁平
花標津は見た目が男爵によく似ていますが、
男爵に比べると、少し扁平な形をしているのが特徴です。

 

さらに表皮に赤が入っているところでも、男爵と区別することができます。
表面がゴツゴツとしていて、デコボコが多く、芽も少し深めです。

 

皮を剥くのが少し面倒なタイプですが、

濃厚な旨みや香りを楽しむことができます。

スーパーなどで食用として市販されることは少なく、
家庭菜園用のタネイモとして流通がある程度です。

 

というのも、育てやすさがあるものの、
1個の重量が少し軽く、男爵などに比べるとやや小ぶりに育つためです。

 

大きさは小ぶりでも早生ではなく、
中晩生で土の中に長く置いておく必要があるため、
出荷目的としては少し不利な性質があります。

 

・疫病に抵抗性
花標津の最大の特徴は、疫病の抵抗性があることと、
ジャガイモシストセンチュウに対しても抵抗性があることです。

 

疫病はジャガイモがかかりやすい病気の中でも厄介な病気で、
感染すると栽培途中で枯死することも多く、収穫できないこともあります。
さらに貯蔵中に発症するケースもあります。

 

疫病に抵抗性がある花標津なら、安心して育てられそうです。
ただ、疫病には絶対にかからないというわけではありませんし、
疫病以外の病気に感染する可能性もあります。

 

どのような場所でも育てられるというわけではないので、
最低限の防除は必要となります。

 

・メークインよりやや粉質
花標津は見た目が男爵に似ていますが、
食感はどちらかというとメークインに似ています。

 

けれどメークインほど煮崩れに強いわけでもなく、
メークインに比べるとやや粉質、男爵と比べると粘質という食感です。

 

男爵に比べると煮崩れしにくく、メークインに比べると少し煮崩れしやすいので、
形は残したいけれど表面は少し崩れてほしい、
肉じゃがやカレーといったシチュー料理に向いています。

 

・観賞価値の高い花
ジャガイモは栽培中に花を咲かせることがありますが、
花標津は花が咲きやすい品種です。

 

薄紫~薄い赤紫色をした花はとても美しく、
野菜の花といえども観賞価値が生まれます。

 

男爵とよく似た花を咲かせますが、
花数は男爵よりも多く、花の大きさも大きいので見応えがあります。

 

花数が多く、開花が始まると次々と花が咲いていき、開花期が長いのも特徴です。
畑の一角に花標津をまとめて植えて、開花期に多くの花を観賞するのもお勧めです。

 

 

■花標津の栽培のポイント

 

・初期生育を促す
花標津は中晩生で育てやすいですが、
栽培後半に生育が遅れないようにしておくと元気に生長します。

 

通常の植え付け時期よりもやや早めに植え付けたり、
植え付け前に光を当てて芽出しをしておくと良いでしょう。

 

・低温貯蔵する
花標津は収穫後、貯蔵することで旨みと甘みがぐんと上がります。
ただ、休眠が短いので、低温でじっくりと眠らせて貯蔵しておく必要があります。

収獲したての新じゃがを楽しむのも良いですが、

花標津に関しては貯蔵して寝かせた方が確実においしくなるので、

できれば貯蔵して甘みを強めてから食べるのがお勧めです。

 

・遮光を徹底する
男爵と違って表皮に赤色が入るため、緑化した時に気づきにくいことがあります。
そのまま食べると危険なので、必ず緑化防止のために遮光をしておきます。
栽培中はもちろんですが、収穫後に貯蔵している間も、
光が当たらないように暗い場所で保存するのがポイントです。

 

 

シチューにすると、美味しいです!

 

 

■花標津のお勧めの食べ方

 

男爵よりも粘質、メークインよりもやや粉質という性質を生かし、
カレーやシチューなどの煮込み料理がお勧めです。
ただし、おでんのように表面が崩れて煮汁が濁るのを避けたい料理には向きません。

 

貯蔵後は増えた甘みを存分に味わうため、シンプルに食べるのもお勧めです。
茹でたり、レンジでチンしたものにバターと塩、
あるいは醤油などを垂らして食べると格別です。

 

■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方


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