レッドムーン
レッドムーン
レッドムーンは、サカタのタネが販売している、ジャガイモの品種です。
アメリカの種苗会社から導入した種子から選抜してできた固定品種で、
日本では1991年に登録が完了しました。
レッドムーンの特徴と、栽培のポイント、お勧めの食べ方をご紹介します。
[レッドムーン]
・登録年 1991年
・登録番号 レッドムーン
・作型 春作、秋作
・主な産地 暖地、温暖地
・特性 煮崩れせず粘質
・栽培難易度 中級
■レッドムーンの特徴
・赤いメークイン
レッドムーンは、男爵のようなゴロゴロとした形ではなく、
どちらかというとメークインのような楕円形をしています。
まるで赤いメークインのように見えることから、
紅メークインやレッドメークなどという名前で流通していることがあります。
メークインと同じように、表面のデコボコが少なく、比較的つるっとしているのが特徴です。
また、芽の部分があまり深くなく、皮が剥きやすいです。
メークインとの違いは、なんといっても表皮の赤色です。
乾燥している時でも表面が赤いことが分かりますが、洗ってみるとさらに赤が鮮やかになります。
皮は薄く、加熱するとするりとキレイに剥けて気持ちが良いです。
中は男爵などに比べると黄色が強く、火を通すとさらに濃い黄色になります。
まるで小さなサツマイモのような姿をしていて、おもしろいジャガイモです。
レッドムーン
・粘質な食感
レッド―ムーンがメークインに似ているのは、形だけではありません。
ジャガイモは大きく分けて、ほくほくとした粉質の男爵タイプか、
煮崩れしにくい粘質のメークインタイプの2つがあります。
レッドムーンはメークインタイプで、粘質で荷崩れしにくいのが特徴です。
・さつまいものような甘み
レッドムーンは、見た目がサツマイモのような姿をしていますが、味も少しサツマイモに似ています。
黄色い肉色から想像する通り、ジャガイモ特有のコクに加え、ほんのりとした甘みがあるのが特徴です。
茹でただけでもおいしく、また料理に使っても他の食材とよく調和します。
洋食や和食に限らず、オールマイティーに使えます。
・家庭菜園用品種
皮が薄く機械収穫が難しいためか、大規模農園での栽培が難しい品種ということで、
主に家庭菜園で育てられることが多い品種です。
もともとサカタのタネが選抜して固定化している時にも、
家庭で育てやすいジャガイモを目標にしていたようです。
そのため、家庭菜園で育てて収穫したてをぜひ食べてみてほしい品種です。
■レッドムーンの栽培のポイント
・開帳タイプなので株間は広め
レッドムーンは、茎がやや細めで、中心となる茎の本数もそれほど多くはありません。
けれど、茎が長めな上に分岐が多く、しかも繁茂しやすい性質を持っているので、
やや広がり気味に育つので、株間を少し広めにしておくのがポイントです。
株間が狭いと風通しが悪くなり、病害虫の被害が出る可能性が高くなります。
・初期生育は早いが晩生
植え付け後の初期生育は早く、枝の伸びも良いですが、土中の生長はあまり早くありません。
土中のイモが熟すのに時間がかかるため、早期収穫はのぞめません。
じっくりと土の中でイモを熟させてから収穫する、晩生タイプとなっています。
レッドムーンと鮭とキノコのスープ
■レッドムーンのお勧めの食べ方
表面がつるりとしていて芽も浅めなので、皮が剥きやすいです。
粘質なので荷崩れしにくく、煮込み料理に使えます。
カレー、シチュー、おでんなど、煮込んで形が崩れてほしくない料理に向きます。
粘質なジャガイモはポテトサラダに向かないと思われがちですが、そんなことはありません。
ただ、粉質のジャガイモのように、潰してしまうと粘りが出て具材が混ざりにくくなるので、
角切りにしたものに火を通し、他の具とマヨネーズを和えるようにするのがお勧めです。
茹でても焼いてもおいしいレッドムーンですが、唯一フライドポテトのような揚げ物には向きません。
水分が多いせいか、油をよく吸うので、仕上がりが油でべちゃっとしやすいのです。
油と合わせる時は、少量の油でさっと炒めるくらいがちょうど良いです。
皮が薄いので、表面の赤色を残した状態で調理するのもお勧めです。
表面をよく洗って芽を取り除いてから切り、火を通してサラダなどにしていただきます。
また、千切りにして炒めてきんぴらのようにするのもおいしいです。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方