ノーザンルビー
ノーザンルビーの収穫
・登録年 2006年
・登録番号 ばれいしょ農林56号
・作型 春作
・主な産地 北海道
・特性 煮崩れしにくいやや粘質
・栽培難易度 中級
ノーザンルビーは、2000年代に入ってから登録された、
まだ新しいジャガイモの品種です。
一見するとジャガイモには見えない、
ノーザンルビーの特徴と、栽培のポイントなどをご紹介します。
[ノーザンルビー]
ノーザンルビー C)日本いも類研究会
■ノーザンルビーの特徴
・外も中も赤いジャガイモ
ノーザンルビーがジャガイモに見えないのは、見た目の細長い形と色にあります。
通常のジャガイモは皮が黄色っぽい色をしていますが、
ノーザンルビーは紫がかった濃いピンク色をしています。
紫がかった濃いピンクで、形がメークインのような長い楕円形をしているため、
ちょっと短めのサツマイモに見えることもあります。
目も浅くつるりとしていることも手伝って、
ごろっとしたイメージのジャガイモには見えないのでしょう。
ノーザンルビーは、皮を剥いた内側も赤っぽい色をしていて、
赤肉品種のジャガイモとして注目されています。
これまでにもインカレッドなど、赤肉のジャガイモ品種はありましたが、
それと比べると、やや色が薄く、ピンクに近い色をしているのが特徴です。
・肉色が抜けにくい
ノーザンルビーの特徴は、やはり肉色がキレイなピンク色をしているところです。
他の赤肉品種といえば、インカレッドやシャドークイーンなどがありますが、
どちらも色が濃いです。
ノーザンルビーの肉色は、キレイなピンク色をしていますが、
このピンクの素となっているのは、アントシアニンという成分です。
アントシアニンはブルーベリーなど、紫色のものによく含まれていますが、
熱を加えると色が抜けることが多いです。
ところが、ノーザンルビーの場合は、
加熱しても肉色が褪せにくく、ピンク色が残ります。
揚げても煮ても焼いてもピンク色が残るので、
色を生かした料理にすると、目も舌も楽しめそうです。
■ノーザンルビーの栽培のポイント
・上イモ数は少ないが育てやすい
ノーザンルビーは、1個のイモの重量がやや重いためか、
1株につくイモの数が少ないです。
そのため、豊産型とはいきませんが、
見た目が珍しいため、育ててみる価値はあります。
また、中早生タイプでいつまでも畑に置いておくこともありませんし、
イモの育ちも遅くはないため、比較的育てやすい品種といえます。
・ガッシリとした株姿
ノーザンルビーは、立性か開帳性かでいえば、立性の品種です。
分岐する枝の数もそれほど多くなく、枝もしっかりとしやや長めに伸びるため、
全体的にガッシリとした印象になります。
ジャガイモは栽培中、地上部しか目安にできる場所がありません。
その地上部がしっかりと育っているところが見えるのは、
栽培初心者としても嬉しいポイントです。
また、ノーザンルビーは、ジャガイモシストセンチュウに抵抗性を持っています。
以前にジャガイモシストセンチュウの被害が多少出た場所でも、栽培は可能です。
ただし、抵抗性があるといっても、絶対に被害が出ないとは限りません。
土壌消毒などを行い、できるだけ防除しておいた方が良いでしょう。
・花は意外な白色
ノーザンルビーは、イモの皮も肉色も赤系のため、
花色も赤紫やピンクを想像しますが、実は花色は白色です。
1株につく花数は、多くはありませんが、大きめで真っ白な花弁がよく目立ちます。
花が咲く確率は比較的高めですが、結実する確率は低いようです。
もし実がついているところを見ることができたら、とてもラッキーです。
ノーザンルビーでカラフルなポテトサラダ
■ノーザンルビーのオススメの食べ方
ノーザンルビーの肉質は、やや粘質です。
加熱しても、特徴のピンク色の肉色は褪せることがなく、黒変もしにくいです。
ただ、水煮にすると水分を含むためか、ややべたっとした食感になります。
煮込みに使えば、煮崩れしにくいので良いのですが、
茹でた後に別の料理に使うのであれば、蒸す方が食感は良くなります。
また、皮が厚いのか、蒸した後に皮を剥く時、つるっとキレイに剥けません。
包丁を使い、少し厚めに剥くと、表面が荒れずにキレイに剥くことができます。
ノーザンルビーは、調理の仕方によって、食感や風味が変わるジャガイモです。
蒸したり煮たりすると、非常にあっさりとした風味になります。
油で揚げると、油との相性が良いのか、コクが増します。
やや粘質のべたっとした食感を抑えたい場合は、水煮は避けます。
色がキレイに残るので、できればこの色を残した料理がオススメです。
蒸して潰したものをサラダにしたり、オープンサンドにしても色を生かせます。
潰したノーザンルビーをコロッケにすれば、さっくりとした衣を割ると、
中からキレイな色のイモが見えて楽しめます。
ノーザンルビーをそのまま素揚げやチップス、フライドポテトなどにする場合は、
表面にあまり色がつかないように低温で揚げます。
表面に揚げ色がついてしまうと、せっかくのピンク色がくすんでしまいます。
ピンクの肉色と合わせて、緑や黄色の野菜と一緒に盛り付けると、
それぞれの色が引き立ちます。
また、同じジャガイモで、肉色が濃い黄色のインカのめざめや、
濃い紫色が特徴のシャドークイーンなどを合わせ、
三色のマッシュポテトやサラダにしても面白そうです。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方