セトユタカ
セトユタカ
セトユタカは、瀬戸内海で豊作であるようにという願いがこめられ、命名されました。
春作、秋作ができるセトユタカの特徴と、栽培のポイントなどをご紹介します。
[セトユタカ]
・登録年 1977年
・登録番号 ばれいしょ農林22号
・作型 春作、秋作
・主な産地 岡山県、関西以西
・特性 煮崩れせず粘質
・栽培難易度 中級
■セトユタカの特徴
・見目が良い
セトユタカは、表面積が広い方向から見ると、少し角ばった丸い形をしていますが、
横から見ると扁平な形をしている扁球型のジャガイモです。
少々ゴツゴツしてはいますが、皮の表面はとても滑らかで、
目も非常に浅いのが特徴です。
ジャガイモは、ゴツゴツして目が深く、皮むきが手間となることが多いですが、
セトユタカは皮がとても剥きやすいので、むしろ皮むきが楽しくなるほどです。
農林1号や男爵に比べデコボコが少ないのも、皮が剥きやすい理由かもしれません。
1個のイモのサイズが程よいので、
一人前や少人数用の料理を作る時でも調整しやすいです。
・肉食が濃く食味が良い
セトユタカの表皮は、黄色~淡黄色をしていて、よくあるジャガイモの色です。
近年は表皮が赤いものや、マーブルカラーのものなど、
少し珍しいタイプのジャガイモも出てくるようになりましたが、
やはりこういった普通の色のジャガイモも落ち着きます。
セトユタカは、皮を剥いた中の肉色もとても良く、黄色み
がかった色をしています。
調理をしても黒ずみにくいので、
色を生かしたポテトサラダやビシソワーズなどのスープなどにもお勧めの品種です。
■セトユタカの栽培のポイント
・二期作可能だが春優勢
セトユタカは休眠期間が短いため、暖地であれば春と秋の二期作が可能です。
ただ、春と秋での収量を比べてみると、春の方に軍配が上がるので、
春作で育てる方がお勧めの品種です。
・密植可
セトユタカは、株元に近い部分にイモをつけるため、
一般的なジャガイモよりも株間を狭くして育てることができます。
ある程度の密植が可能なので、収量が落ちる秋作でも、
密植することによって多品種と同じくらい収穫することが可能な場合があります。
・イモ肥大は前半
イモの肥大が始まると、前半でぐんぐん肥っていきます。
ただ、後半になるとイモの肥りが悪くなるので、
前半でどれだけイモを肥らせるかで、セトユタカの収量が決まります。
肥料に対する反応は良い方なので、肥料切れさせないように管理します。
イモの肥大が前半に集中するので、春作では早めに収穫することが可能です。
そのため、セトユタカは中生に分類されますが、
その中でも早めに収穫できる品種となっています。
・病気に注意
セトユタカは、抵抗性の強い病気と弱い病気がはっきりしています。
疫病、葉巻病、粉状そうか病には弱く、栽培時には注意が必要です。
軟腐病は中~やや強い抵抗性があり、青枯病は農林1号に次ぐ強さを持っています。
また、Yモザイク病に感染した場合、えそ症状ではなく、
モザイク症状が出るのが特徴です。
・倒伏に注意
セトユタカは、葉色が一般のジャガイモ品種に比べてやや薄く、
葉のつきもまばらになることがあります。
草丈が特別高くなるわけではありませんが、分岐も少ないため、
人によっては徒長しているように見えることもあります。
栽培後半になると、茎が倒伏するこもとあるため、
倒伏防止のために紐などを張っておくと安心です。
シチュー、カレーに美味しいです
コロッケも驚くほどおいしくできます
■セトユタカのオススメの食べ方
セトユタカは煮ても崩れにくく、しかも変色しにくい性質を持っているので、
カレーやシチュー、肉じゃがなどの煮込み料理に向いています。
さらに肉質もなめらかで、しかも油との相性がとても良いので、
揚げ物や炒め物にも重宝します。
コロッケやサラダにも使え、万能なタイプの品種です。
油やコクのある乳製品との相性が良いため、洋食に使うと絶品ですが、
和食や中華でも使うことは可能です。
その際は、ゴマや豆乳などを使い、コクと旨みの強いものと合わせるのがお勧めです。
ただ、水分が多めなので、蒸すと食感がベタッとしてしまうので、あまり向きません。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方