インカレッド
インカレッド C)北のデリシャス
インカレッドは、名前の通り赤い色をしたジャガイモの品種です。
まだ少し新しい品種であるインカレッドには、どのような特徴があるのでしょうか。
インカレッドの特徴の他、
栽培のポイントやオススメの食べ方などもご紹介します。
[インカレッド]
・登録年 2002年
・登録番号 ばれいしょ農林46号
・作型 春作
・主な産地 北海道
・特性 煮崩れせず粘質
・栽培難易度 中級
■インカレッドの特徴
・外も中も赤いジャガイモ
インカレッドの特徴は、なんといってもその色です。
表皮は少し紫がかったような赤色をしています。
目の部分は浅いながらも、他の部分よりも少し赤みが強くなります。
皮が赤いジャガイモは意外と多いですが、その多くは外側だけが赤く、肉色は白や黄色です。
ところが、インカレッドの場合は、肉色まで赤色をしています。
皮に近い部分は少し白っぽい色をしていますが、中心は表皮と似た赤色をしています。
この肉色の赤は、アントシアニンによるものです。
アントシアニンは、ブルーベリーなどに含まれている色素で、
目に良い効果がある成分として有名です。
インカレッドに含まれている、ばれいしょアントシアニンは、
抗インフルエンザ活性の効果があるとして、注目されています。
この抗インフルエンザ活性の効果があるものの代表としては、
お茶の実に含まれているサポニンがあります。
・変色が少なく調理に向く
インカレッドは、やや長い卵形をしていて目が浅いため、皮が剥きやすい形状をしています。
しかも粘質タイプなので煮崩れしにくく、調理した後の変色も少ないので、
調理に向いた品種といえます。
ただ、油で揚げると、粘質タイプ特有の湿気た食感が残りやすいため、工夫が必要です。
薄くして揚げることで、湿気が残りにくくなるので、チップスへの加工が可能です。
揚げても色があまり変わらないので、赤い色のチップスで目を引きます。
■インカレッドの栽培のポイント
・やや病気に弱い傾向
インカレッドは、疫病とそうか病への抵抗性があります。
けれど、ジャガイモがかかりやすい病気は、これ以外にもたくさんあります。
葉巻病とモザイクウィルスには抵抗性がないので、
熱や寒さ、薬剤などを用いて、土壌消毒をきちんとしておくと良いでしょう。
・直立性だが倒伏も
インカレッドの株は直立性ですが、茎がやや長めです。
そのため、栽培している場所の環境やその年の状況によって、倒伏することがあります。
ジャガイモの茎が倒伏すると、土中の新しいイモが露出したり、
泥跳ねによって病気に感染するなどして、良いことはありません。
直立性だからと過信せず、周りに支柱を立てて紐を張るなどして、
倒伏予防をしておきましょう。
エリアが広い場所では、防風ネットなどを設置し、
強い風が当たらないようにするのも効果的です。
・花は白色
インカレッドは、イモの色は赤ですが、花色は白です。
花数自体はそれほど多くありませんが、葉が濃緑で茎に赤みがさしているため、
白色の花がよく合います。
花粉量は多くなく、花後の着果もほぼ見ることができませんが、
花には観賞価値があります。
■インカレッドのオススメの食べ方
インカレッドは、粘質タイプのジャガイモです。
煮込み料理に使っても煮崩れしにくいのですが、色が独特なため、使う料理は選びそうです。
シンプルにクリーム煮にすれば、インカレッドの赤色が映えます。
炒め物にしても崩れにくいので、ベーコンと一緒に千切りにしたインカレッドを炒め、
塩コショウで味付けをするだけでも、おいしいです。
この時、肉色が白や黄色のジャガイモと合わせると、紅白の彩りとなってキレイです。
チップス加工の適正もあるので、薄く切ってからっと揚げれば、
赤いポテトチップスが出来上がります。
色付きのシーズニングをまぶすと、せっかくの赤色がくすんでしまうので、
できれば塩などを軽くふるだけにとどめた方が良いでしょう。
イモ自体に赤色があるので、メイン料理の付け合わせにして、
彩りとして使うこともできます。
グラッセにしたり、輪切りにしたものを焼いり、丸ごと蒸したものや、
オーブンで焼いたものをステーキなどの料理に添えれば、それだけで見栄えが良くなります。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方