こがね丸

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こがね丸

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こがね丸 C)春夏秋菜

 

こがね丸は、ムサマルと十勝こがねを親に持つ、ジャガイモの品種です。

 

親の性質を存分に受け継いだこがね丸には、どのような特徴があるのでしょうか。
また、栽培のポイントやオススメの食べ方もご紹介します。

 

[シマバラ]

 

 

・登録年 2006年
・登録番号 ばれいしょ農林55号
・作型 春作
・主な産地 北海道
・特性 やや煮崩れしやすい粉質
・栽培難易度 中級

 

 

■こがね丸の特徴

 

・フライ適正のサラブレッド
こがね丸は、ムサマルを母に、十勝こがねを父にして交配し、生まれた品種です。
ムサマルはもともとフライ加工の適正が高い品種で、さらに十勝こがねにもフライ適正があります。

 

両親ともにフライ適正のある品種から生まれたこがね丸は、デンプン価が高く、
火を通すとほくほくした食感があります。
フライなどの油で揚げる料理に使えば、甘みと香りが引き立ち、さらにおいしさが増します。

 

しかも、ほくほくの食感を持ちながら、少し煮崩れしにくい肉質を持っています。
一般的には、ほくほくの粉質のジャガイモは煮崩れしやすく、ねっとりとした粘質の
ジャガイモは煮崩れしにくい傾向にあります。

 

ところが、こがね丸の場合は、煮物などに使っても、すぐに煮崩れて溶けてしまう
ということがありません。
さすがに長時間煮込むととろけてしまいますが、肉じゃがなど短時間で煮て食べる
煮物料理であれば、少し崩れた表面に味が染み込みます。

 

・多収で見目が良い
こがね丸は、1個のイモの大きさが大きめで、しかも重量もけっこうあります。
短い楕円形~卵形をしていますが、表面の皮の色が少し濃く、ざらっとした質感なので、
つるりとした印象はありません。

 

それでも、目が浅く数が多くないため、皮を剥いたり加工したりする時の労力を
省くことができます。

 

皮は少し色が濃いですが、中の肉色は淡い黄色で、加熱した後の変色が少ないです。
中心空洞は少し発生することがありますが、褐色心腐や二次生長はほとんど発生しません。
大きくて見た目も良く、味も食感も良い、魅力的なジャガイモです。

 

・収穫後の状態保持は良好
ジャガイモは収穫後、貯蔵することで長い期間楽しめる野菜です。
ただ、中には貯蔵中に変質するものもあります。

 

こがね丸は貯蔵中の変質が少なく、良い状態のままで保存することができる品種です。

 

特にジャガイモは、光を受けることにより、
苦みの素であるグリコアルカロイドを増幅させます。

 

こがね丸の親であるムサマルは、このグリコアルカロイドが増えにくい性質があり、
子であるこがね丸にもそれが引き継がれています。

 

休眠が長いのも特徴で芽が出にくい性質があるので、貯蔵中に芽が出るのも少ないです。
ただし、打撲による変色や割れ、腐敗などを起こしやすいので、
収穫後の扱いには注意が必要です。

 

 

こがね丸のポテトサラダも、味、触感とも良いです

 

 

■こがね丸の栽培のポイント

 

・ジャガイモシストセンチュウへの抵抗性
ジャガイモ栽培中に注意すべき点としては、
ジャガイモシストセンチュウの被害があります。

 

ジャガイモの品種の中には、このジャガイモシストセンチュウへの抵抗性を持つものがあります。

こがね丸の親であるムサマルと十勝こがねには、ジャガイモシストセンチュウへの
抵抗性があり、こがね丸もそれを引き継いでいます。

 

ただ、100%被害が出ないという保証はないので、栽培地の消毒などを行い、被害が
出にくい状態にしておきます。

 

・株間はきちんととる
こがね丸は、上イモの数が特別多いわけではありません。

 

けれど、1個のイモが大きく育ちます。
また、茎がやや長く生長するため、株がやや大きく育ちます。

 

植え付けの時に株間をきちんととっておくことで、イモが育つスペースを確保し、
栽培中の風通しも確保できます。

 

・花は美しい薄紫
ジャガイモの花には色幅があり、白~濃い紫まで様々です。
こがね丸の花は上品な薄紫色をしていて、とても美しいです。

 

1株につく花数はそれほど多くありませんが、花自体が大きく見応えがあります。
しかも開花の可能性が高めの品種なので、栽培中には美しい花を楽しめます。

 

・塊茎腐敗に注意
ジャガイモ栽培では、疫病による塊茎腐敗が発生する場合があります。
こがね丸は疫病に対する抵抗性がなく、塊茎腐敗には弱いという点があります。

 

特に、栽培期間が予定よりも少し長くなる場合は、塊茎腐敗に気を付けます。

収穫する日を迎えるまで、予防に徹しましょう。

 

 

こがね丸のコロッケも抜群です

 

 

■こがね丸のオススメの食べ方

 

ジャガイモ特有の香りが強く、油と合わせることで甘みも増すので、風味を生かした料理がオススメです。
フライにすれば、香りと甘み、ほくほくとしっとりの食感を楽しめます。

 

こがね丸は、フライ適正の非常に高い品種ですが、もちろんフライ以外の料理にも使えます。
ほくほくの食感を生かし、潰してコロッケにしたり、ポテトサラダにしてもおいしいです。
デンプン価が高いので、ガレットなども作れます。

 

また、短時間の煮込み料理にも使えます。
シチューやカレーに使いたい場合は、大きめに切るか、

最後に加えて火が通るまで煮込み、ルゥを入れると、煮崩れを防げます。

 

■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方


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ジャガイモ 品種

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