デストロイヤー(グラウンドペチカ)
デストロイヤー(グラウンドペチカ)の種芋
デストロイヤー(Destroyer,グラウンドペチカ)は、
2000年に登録された新しいジャガイモ品種です。
見た目がとてもユニークなため、急激に人気が高まってきています。
デストロイヤーの特徴や、栽培のポイント、オススメの料理法をご紹介します。
[デストロイヤー]
・登録年 2000年
・登録番号 グランドペチカ
・作型 春作
・主な産地 全国
・特性 ほくほくのやや粉質
・栽培難易度 中級
マスクをかぶっているようなデストロイヤー
■デストロイヤーの特徴
・見た目のインパクト大
デストロイヤーの特徴といえば、やはりその外見です。
濃い紫色の皮に、目の周りだけ濃いピンク~赤色に染まる姿は、
まるでマスクをかぶっているように見えます。
このことから、本名はグラウンドペチカが本名であるにも関わらず、
デストロイヤーで販売されることがありますが、どちらも同じ品種です。
丸みを帯びた形~やや楕円形になり、扁平になりにくい性質があるので、
厚みのあるごろごろとしたイモに育ちます。
イモ1個の重量やサイズもしっかりとあり、中身も詰まっていて食べ応えがあります。
見た目の色と模様にインパクトがあるものの、
スーパーなどで見られることはほとんどありません。
その分、家庭菜園で育て、収穫したジャガイモがこの姿だと、
とても面白いということで、栽培する方が増えてきています。
見た目に反して、意外と育てやすい点も、家庭菜園で人気の秘密かもしれません。
芽出し中のジャガイモ、右上がデストロイヤー
・ほっこり甘い
デストロイヤーは、見た目の色と模様が派手なため、
味はあまり期待されないことが多いようですが、味も意外性抜群です。
デストロイヤーは、サツマイモと栗とジャガイモを合わせたような、
食感と風味を持っています。
火を通すとほくほくとした食感が出て、しかも火が通るのが早いにも関わらず、
煮崩れにくいという珍しい特性を持っています。
そういった意味では、肉質はやや粉質っぽい食感ではあるものの、
性質としては粘質です。
また、栗のような甘みとコクがあり、非常においしいジャガイモといえます。
表皮の色も珍しいので、皮つきのまま調理するのも良いでしょう。
・貯蔵中の変質が少ない
デストロイヤー(グラウンドペチカ)は、休眠期間がそれほど短くなく、
また貯蔵中の傷みが少ないため、貯蔵に向いた品種です。
ジャガイモを育てて、せっかくたくさん収穫できても、
貯蔵中に傷んでしまっては、楽しみが半減します。
風通しの良い冷暗所で貯蔵することで、
長い間おいしい状態を保つことができるのも、デストロイヤーの魅力です。
綺麗な花がたくさん咲くのも嬉しい!
■デストロイヤーの栽培のポイント
・病気に強く育てやすい
デストロイヤーは、青枯病やそうか病に強い性質があります。
そのため、タネイモについているタグなどには、
土壌消毒が不要と書かれている場合があります。
もちろん、病気に強い性質を持っているため、ある程度は耐えることができます。
耐湿性もあるため、比較的土質を選ばず栽培できる品種です。
ただ、悪いと分かっている環境や土で育てては、本領を発揮できません。
できるだけ育ちやすい土質になるよう土壌改良を行い、冬は寒おこし、夏には太陽光を
使った熱消毒を行っておくようにすると、さらに病気の心配が減ります。
・土寄せはしっかり行う
デストロイヤーはイモがやや大きめで、しかも新しいイモが
つく時の深さが、やや浅めです。
そのため、土寄せをしっかり行っておかないと、緑化の原因になります。
特にデストロイヤーは表皮が紫色をしているため、
緑化していてもあまり目立ちません。
誤って緑化したイモを食べると、食中毒などの原因となるので、注意しましょう。
光を通さない、黒マルチを利用した栽培法であれば、
イモが浅い位置に育ったとしても、光が当たらず緑化しにくく、育てやすいです。
深型プランターでこの収穫、もっと研究すれば収量が増えそうです
■デストロイヤーのオススメの食べ方
デストロイヤーは、ほくほくの食感ながら煮崩れしにくく、
かつ甘みとコクのある最高のジャガイモです。
皮の色がキレイなので、皮つきの状態でグリルやフライにすれば、
いつもとは違ったビジュアルを楽しむことができます。
また、ほくほくして甘みのある肉質を生かし、
ポテトサラダやコロッケにしてもおいしく食べられます。
デストロイヤーのほっくり感がおいしいホワイトシチュー、
カレーも美味しいです
甘みのある味わいなので、ホワイトソースと合わせてポテトグラタンもおいしいです。
煮崩れしにくいので、シチューやカレーなどの煮込み料理にも使えます。
シチューなどに紫色の皮はちょっと奇抜すぎるという場合は、
皮を剥いて煮込めば、濃い黄色の肉色が食欲をそそります。
もともと煮崩れしにくい肉質なので、皮を剥いても問題ありません。
ただし、あまり長時間煮込み続けると、煮崩れてしまいます。
火の通りも早い品種なので、煮込み料理の最後に加え、
火が通ったのをみはからって仕上げをすると失敗がありません。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方