アルバン
アルバン C）JapanPotato
アルバンは、フランスからやってきた、ジャガイモ品種です。
日本ではまだ新しい品種のため、
見たことがない方も多いのではないでしょうか。
そんなアルバンの特徴や、育て方のポイントなどをご紹介します。
[アルバン]
・登録年 2012年
・登録番号 Albane
・作型 春作
・主な産地 全国
・特性 煮崩れしにくいやや粘質
・栽培難易度 中級
■アルバンの特徴
・フランス人好みのおいしいジャガイモ
フランス人はジャガイモが大好きで、
個人が消費するジャガイモの量もとても多いのだそうです。
そんなフランスで生まれたアルバンは、
日本で流通しているジャガイモとは、
また違った食感を持っています。
日本でよく見かけるジャガイモといえば、
男爵薯やメークインです。
男爵薯はほくほくとしていてコロッケなどに向き、
メークインは煮崩れしにくいので煮込み料理に向きます。
アルバンは、このどちらの品種とも違った食感を持っていて、
どちらかというと、もちもちとしているのが特徴です。
そのため、ジャガイモ餅やニョッキなど、
もちもちとした食感を生かした料理に使うのがお勧めです。
表面の皮は淡い黄色、内側の肉色も淡い黄色で、
加熱した時に変色が少ないので、
他の野菜などの色もキレイに残せます。
・イモが大きく多収穫
アルバンはイモ1個が大きめです。
もともと形も長めの楕円形をしているため、
見るからに重量感があります。
1株につくイモの数は中程度ですが、
1個が大きいため、多収穫の品種といえます。
家庭菜園でも栽培が難しくないので、
大きなジャガイモを家庭菜園で育ててみたい方は、
ぜひ試してみてほしい品種です。
・貯蔵性が良い
アルバンは、休眠が長めです。
そのため、貯蔵中に芽が出にくく、長期の貯蔵に向いています。
低温で貯蔵した時に甘みが増えるということはありませんが、
収穫した時と同じ品質で貯蔵ができるので、
たくさん収穫しても最後まできちんと使い切ることができます。
アルバン C)日光種苗
■アルバンの栽培のポイント
・催芽処理で発芽を揃える
アルバンは休眠が長く、芽が出にくいのが特徴です。
貯蔵中はこの特性が生かされ、メリットとなりますが、
栽培では発芽にばらつきが出て、
初期生育が揃いにくいことがあります。
休眠が長いので、作型は春作のみとなりますが、
春作で育てる場合も、催芽処理を行うのがお勧めです。
植え付けの1ヶ月ほど前から、
日当たりの良い場所に置いて光を当てることで芽が出ます。
この芽を目安にして植え付けることで、
発芽する場所としない場所が発生するのを防ぐことができます。
また、あらかじめ発芽させておくことによって、
地上に芽が出るのも揃いやすくなります。
・多肥や窒素過多に注意
アルバンは、二次生長しやすい品種です。
多肥の状態や窒素過多の状態が続くと、
二次生長を起こして形が悪くなるので、
元肥や追肥には注意が必要です。
無肥料ではイモが十分に育たないこともあるので、
まったく追肥をしないというのは避けます。
ただ、イモを大きくしようと、
多量の肥料を与えていると、反対にイモの形が悪くなり、
可食部が少なくなって収量も減るので、適量を心がけましょう。
・蕾は開かない
アルバンを育てていると、蕾がいくつか上がります。
どのような植物でも、蕾が上がってくるととても楽しみになります。
ところがアルバンは、
蕾を開かせることがないまま、ぽとりと落ちてしまいます。
これは病気や不調というわけではなく、
アルバンの性質によるものです。
せっかくの蕾が開かないのは寂しいですが、
蕾が落ちても問題はありません。
■アルバンのオススメの食べ方
アルバンはもちもちとした食感が特徴です。
単に蒸しただけのものを食べるのも良いですが、
潰してニョッキやジャガイモ餅に加工して食べるのもお勧めです。
味はそれほど主張が強くないので、
どのような味付けにも使えます。
煮崩れしやすいというほどではありませんが、
長時間煮込むと煮崩れて、
煮汁がにごる原因となります。
シチューなどの煮込み料理に使いたい場合は、
仕上げに加えて火を通すのがベストです。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方
