ジャガイモ 植え付け 雨でも大丈夫?
ジャガイモ栽培では、雨が多く降ると失敗が多くなる!
と思われがちですが、本当にそうなのでしょうか
ジャガイモを植え付ける時や、植えた後に大雨が降ると、
どのような影響が出るのでしょうか。
[ジャガイモ 植え付け 雨でも大丈夫?]
■植え付け時は雨でも良い?
ジャガイモのタネイモを植え付ける時は、できれば雨を避けた方が良いです。
これはタネイモが腐りやすくなるからではありません。
もちろん、長期間湿気た場所に置いていると、カビなどの原因にはなります。
けれど、すぐに腐ってしまうわけではありません。
では、なぜ雨の日の植え付けは避けた方が良いのでしょうか。
それは、土の状態が悪くなるからです。
雨が降っていると、土は湿った状態になります。
湿った状態のまま、植え付けるために穴を掘ったり土で覆ったりしていると、
土を練ってしまうことになります。
園芸に適した土は、団粒構造ができていて、水はけと水もちが良く、
風通しも良いので、植物が良く育ちます。
*団粒構造とは、土の粒子が小さく固まって集合している構造。
保水性、排水性が良く植物が育ちやすいのです。
団粒構造があり、植物が快適に育つ土
大雨で、団粒構造が崩れた土、ここにタネイモなどを植え付けると元気に育ちにくいです
ジャガイモは丈夫で育てやすい野菜ですが、
土の状態が良ければ、さらに育てやすくなります。
雨が降り湿気を含んだ土を練ると、この団粒構造が壊れてしまい、
粘土のように粘りのある土に変化し、水はけが悪くなります。
土作りをして改良していても、団粒構造が壊れてしまっては、
水はけが悪い分、ジャガイモ栽培に失敗する可能性が高くなります。
また、植え付け予定の当日と、当日までの数日間の天気にも、注意が必要です。
植え付け前日に大雨が降ると、その分土に水分が含まれるため、
当日に晴れていても土を練ることになりかねません。
できれば、数日前から雨が降っていない日を選ぶのが理想的です。
何日も晴れが続いている日でなくても、曇りが続いている日でも問題ありません。
雨が何日か降っていず、土がある程度乾いている時に植えるのがベストです。
土作りをした後、天気が分からない場合や、
植え付け予定日の数日前から雨の予報が出ている時は、
マルチやビニールシートを利用しましょう。
ジャガイモを植え付ける場所に雨がかからないよう、
黒のビニールマルチやビニールシートをかぶせ、
風で飛ばないように固定しておきます。
周りから水分が流れてくることもありますが、
直接土に雨が当たらないため、ある程度は水分の侵入を防げます。
マルチは水分の流入を抑えます
■植えた後に大雨! 対策は必要?
植え付けの作業が終わった直後、雨が降り出すこともあります。
そんな時、植え付けたばかりのタネイモが気になりますが、
あまり気にしなくてもだいじょうぶです。
ジャガイモ栽培では、タネイモを植え付けた後に水やりをしません。
タネイモの中にも水分があり、土から芽が出てくるまでの間は、
このタネイモに含まれている水分や養分だけでも、問題なく育つためです。
だからといって、植え付け後に雨が降るとダメになることはありません。
ただ、土があまりに水はけが悪い場合は、余計な水分を入れない方が賢明です。
土がある程度乾いた状態で植え付け、
穴の空いていないマルチを畝にかぶせておきます。
土から芽が出てくるまではその状態を維持し、芽が出てきたら、
その場所のマルチを破って芽を外に出してあげます。
こうすると、植え付け後に雨が降っても、影響は少なくて済みます。
芽が出てきたら、早めにマルチを破るか切って、芽を外に出してあげましょう。
長い間マルチの中で、イモの芽が過ごしていると、
高温で芽が焼けたり、日差しに当たらないため徒長する可能性があります。
用土は画像のように、パラッと崩れるのが良い土です
■栽培中の雨は?
ジャガイモは乾いた土地で栽培するイメージが強いためか、
栽培中の雨も気になるという方が多いようです。
基本としては、天気の都合で降る雨は、特に気にしなくても構いません。
水やりも、土があまりに乾いているようであれば与えますが、
お天気任せでも良いでしょう。
問題になるのは、雨が降ることによって、泥の跳ね返りが起きることです。
ジャガイモ栽培では、新しくできたイモに光が当たらないよう、
栽培中に何回か土寄せを行います。
つまり、生育している茎葉と土の位置が近く、粒の大きな雨が勢いよく降ると、
土が跳ねあがって葉などに付着しやすい状態ということです。
土にはジャガイモがかかる病気の原因となる菌が入っていることがあります。
雨や水やりの時に起こる泥跳ねによって、
菌を含んだ土が葉に付着し、病気感染の確率が高くなります。
これを防ぐためには、やはりマルチが有効です。
植え付けの時から利用するのであれば、ビニールマルチがお勧めです。
黒のビニールマルチを利用することで、泥跳ねだけでなく、
過度な水分の入り込みを防ぎ、栽培初期の地温を確保することもできます。
黒マルチなら光を通さないので、土寄せも不要です。
栽培途中から利用するなら、ワラなどの有機マルチが良いでしょう。
ワラは防寒効果があり、通気性がよく蒸れを防ぐことができます。
また、栽培が終った後は土にすきこんで、土壌改良材として使うこともできます。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方