ジャガイモ 茎が伸びすぎる
あまりに茎が長いジャガイモは?
Q:ジャガイモを育てていますが、茎が長すぎる気がします。
背丈は120cmほどあるでしょうか。
色も濃いですし、茎は細くないので、徒長ではないと思うのですが、何が問題でしょうか。
A:窒素過多の可能性があります。
[ジャガイモ 茎が伸びすぎる]
ジャガイモは、家庭菜園で育てやすいということで、不動の人気があります。
性質も丈夫ですし、
土の中からゴロゴロとたくさんの大きいイモが出てくる様子は、とても楽しいです。
そんなジャガイモですが、収穫までは地上の茎葉の様子を見て、生長状態を確認します。
現状、他よりも草丈が高くなっているとのことですが、
ジャガイモも品種が違えば、多少の背丈の違いは出ます。
ただ、今回のように1メートルを超える高さという品種は少ないので、
おそらく何か原因があるのだと思われます。
今回の状態をまとめると
・草丈が異様に高い
・組織が柔らかい
・色が濃い
・茎は細くない
こういったことがあげられます。
色が濃く、茎もそれなりの太さがあると、弱々しい印象がない分、
むしろ元気なように見えます。
けれど、やはりこれも不調のサインが隠れています。
注意したいのは、草丈が高い点と、茎が細くなく色が濃い点です。
これらを総合して考えると、窒素過多が考えられます。
■ジャガイモ栽培の窒素過多
窒素過多は、ジャガイモ栽培でなくても起こる可能性はあります。
窒素は、肥料の基本の要素の1つです。
一般的な肥料には、窒素・リン酸・カリがメインで含まれています。
これら以外にも、マグネシウムや鉄など、
微量要素と呼ばれる成分が入っている場合もあります。
この中で、窒素は茎や葉を生長させる成分といわれています。
そのため、窒素が多くなると色が濃くなり、地上部が大きく生長しやすくなるのです。
ジャガイモ栽培の場合、窒素を多く与えてもあまり良いことはありません。
地上部ばかりが生長し、支柱なしでは倒れたり曲がったりしやすくなりますし、
アブラムシなどの害虫被害も増えます。
また、窒素が多いとイモを食べた時に苦みやえぐみを感じることがあり、
食味も悪くなりがちです。
さらには貯蔵性が落ちることもあるので、与える肥料の量には注意が必要です。
まだ収穫までに時間があるなら、試せることは試してみましょう。
・水を多量に流す
市販されている化成肥料の多くは、水に溶ける仕様になっています。
水に肥料成分が溶けだすことによって、植物が肥料を吸えるようになるのです。
特に窒素は水に溶けやすい成分なので、肥料が多い状態なのであれば、
思い切って水をたくさん流すという方法があります。
長期間、多量の水を与え続けるのはいけませんが、短期間であればなんとかなります。
多量の水分を与え、肥料成分が水とともに流れていくようにするイメージです。
反対に、じきに収穫する時期に入る場合は、水を与えず土を乾燥させます。
肥料は水に溶けやすく、溶けたところをジャガイモが吸収します。
つまり、土が乾燥していれば、肥料が溶けだしにくくなるため、
肥料濃度は一時的に下がります。
雨などに当たると、今度は急激に肥料濃度が上がってしまうので、
雨よけ対策をして、収穫の時まで待ちましょう。
・肥料は与えない
すでに肥料過多になっている可能性が高いので、以降の追肥は止めましょう。
もともとジャガイモは、痩せ地でも育つほど丈夫です。
もちろん、ある程度の養分がある方が、イモも大きく育ちます。
けれど今回の場合は、肥料過多に陥っているため、
イモが育つよりも先に調子を崩し、収量が激減する可能性もあります。
現在残っている肥料を吸わせるようにし、新たな肥料は与えないようにします。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方