ジャガイモ 芽かきは必要?
Q:ジャガイモを育てる時、芽かきが必要ですか?
栽培する株数が多いので、芽かきの作業がたいへんです。
芽かきをする理由をお教えください。
A:イモの肥大を促すためです。
[ジャガイモ 芽かきは必要?]
ジャガイモ栽培は、地域によって春と秋の2回の栽培が可能です。
また、北海道などの寒い地域では、春と秋は気温が足りないため、夏の栽培を行います。
さらには、九州などの暖地では、冬に栽培することもあります。
そんなジャガイモですが、どの作型で育てる場合であっても、芽かきの作業は必要です。
もちろん、芽かきをしないからといって、必ずしも不調が起こるわけではありません。
けれど、芽かきをした方が、良いジャガイモが収穫でき、
栽培中の不調も予防できるのです。
・養分の分散を防ぐ
芽かきは、地上に出てきた複数の芽のうち、生育が良さそうなものを2本~4本残し、
あとは摘み取る作業です。
ジャガイモは地下の茎から発生するストロンの先端に、新しいイモを作ります。
ストロンは各茎からいくつか発生するため、単純に考えれば、
茎の本数が多いほどストロンの発生数が増え、イモの数も増えます。
こう考えると、茎は多い方が収量が上がりそうです。
では、なぜ芽かきをして数を減らすのでしょうか。
それは、養分が分散しすぎないようにするためです。
茎が多くストロンが多ければ、イモの数も増えます。
けれど、1株のジャガイモが光合成で作れる養分や、
肥料成分を吸って得られる養分は、無限ではありません。
茎の数だけ養分が作ることができれば、芽かきの必要はありません。
けれど、実際はある程度上限のある養分を多くのイモに分散させてしまうため、
1個1個のイモに渡る養分が減ってしまいます。
養分が足りないイモは、小ぶりになるだけならまだ良いですが、
指先ほどの小さなものしかできなかった場合、食用にもできないため、収量が激減します。
芽かきをすることは、収穫するイモのサイズを大きくするための準備なのです。
・地上部の過繁茂を防ぐ
芽かきをする理由は、イモのサイズを大きくするだけではありません。
地上部の過繁茂も防げます。
イモは1つのタネイモに、たくさんの芽がついています。
その芽を全部育てると、地上部の茎と茎の隙間が狭く、風通しが悪くなります。
風通しの悪い環境では、害虫の被害が大きくなったり、
病気にかかりやすくなったりします。
特に地上部が生長して大きくなる、栽培後半になると、
茎葉同士が重なりあうことによって、日陰を作ってしまい、
日照不足まで引き起こす可能性が出てきます。
茎を多く残してイモを多く収穫しようと思っても、
栽培途中で調子が悪くなっては、意味がありません。
花木や果樹も、株の中心まで光や風が通るように、間引き剪定というものをします。
それと同じように、ジャガイモもも伸ばす茎の本数を調整することで、
風通しと採光をよくし、不調を予防することができます。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方