ジャガイモ 低温障害(凍害)
霜にあたったジャガイモの芽
ジャガイモは、収穫直前までは、地上部の生長しか見られない分、
収穫の時がとても楽しみな野菜でもあります。
収穫の時、よく肥ったイモが顔を出すと、嬉しい気持ちが高まります。
特に、寒さに当たると、芽や葉、イモに低温による障害が起こることもあります。
ジャガイモが低温障害を受けると、どのような状態になるのでしょうか。
[ジャガイモ 低温障害(凍害)]
■主な症状
・芽、葉、塊茎の変形や変色
ジャガイモが低温障害になると、芽、葉、イモに異変が出ます。
ジャガイモの芽や葉が霜など低温にあうと、黄ばんだり枯れたりします。
イモは表面が通常よりも凸凹としていて、しわが寄ることもあります。
切ってみると、中は変色していることが多く、桃色~黒色まで色の変化があります。
初期の頃は、桃色から薄い赤色になり、その後は褐色、灰色、黒色と変色します。
変色部分は水分が抜けて硬くなっていることが多く、
それに伴ってイモ全体が変形し、いびつになります。
低温障害は、貯蔵中に起こることが多い症状ですが、
収穫直前でも強い寒さに当たれば、低温障害が起こることもあります。
形がいびつなのは、低温障害によるものでしょうか
■主な原因
・低温に当たった
低温障害の原因は、まさに低温に当たったことです。
ジャガイモは収穫後、できるだけ長く貯蔵しておくために、
やや低めの温度で管理して、貯蔵します。
ところが、冬場などで温度が下がりすぎてしまうと、低温障害や凍害が起こります。
低温障害は、維管束に含まれる水分が凍ることによって、
維管束や周辺部分の細胞が壊死して症状が出ます。
そのため、-1.7度以下では短時間で症状が出るようになります。
凍結寸前の0度~2.5度くらいであっても、
数時間以上その状態に置かれることによって、徐々に低温障害の症状が出ます。
貯蔵場所の温度管理が甘いと、冬などの低温期に温度が下がりすぎてしまいます。
また、栽培中であっても、秋ジャガイモの場合は、収穫が寒くなる時期と重なるため、
栽培地域やその年の天候によっては、急激な気温低下によって低温障害が起こります。
低温障害から病気になることも
■対策
・温度管理をする
低温障害を予防するには、温度管理が最も有効です。
ジャガイモの芽出し作業をしっかり行い、
植え付け後は、まず霜に気をつけます。
貯蔵中、高温になると休眠が破られて萌芽しやすくなったり、
他の生理障害が起こる可能性が高くなりますが、温度を下げすぎるのも良くありません。
ジャガイモの貯蔵は、3.5度~4.5度の環境が良いとされています。
家庭内では、初夏~秋にかけて、これほどの低温に保つのは難しいですが、
秋を超えた後は、寒さが一気にくることがあるので、貯蔵場所の温度に注意します。
栽培中であっても、秋ジャガイモの収穫直前の霜に注意します。
収穫までの霜が心配な場合は、敷きワラなどのマルチを敷くなど、
地温が下がりすぎないような工夫が必要です。
■判断基準
ジャガイモは、春栽培が基本となるため、
貯蔵中は低温障害が起きにくいように見えます。
けれど、貯蔵場所によっては、温度が下がりすぎることもあるので、注意しましょう。
低温障害の症状が出たイモは、元に戻ることはありません。
商品価値も著しく落ちます。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方