ジャガイモ 中心空洞
こんな美味しそうなジャガイモに空洞があったら残念です!
ジャガイモは、とても丈夫で育てやすく、
古くから痩せ地でも栽培できる野菜として、世界中で愛されてきました。
日本でも、家庭菜園で育てる方が多く、植え付けの時期になると、
タネイモがたくさん店頭に並びます。
栽培が難しくないといっても、見えないところで、
実は不調が起こっている場合があります。
その中の1つが、中心空洞です。
中心空洞が起こったジャガイモには、どのような症状が出るのでしょうか。
また、その原因や対策は、何かあるのでしょうか。
[ジャガイモ 中心空洞]
■主な症状
・中心に亀裂や空洞
中心空洞の症状は、その名の通り、イモの中心に亀裂や空洞ができることです。
外から見た時には、まったく異常がないように見えますが、
切ってみると、亀裂や空洞ができているのです。
亀裂や空洞の大小には、症状の進み具合などによって差があります。
小さな亀裂が入っているだけのものもあれば、大きな空洞となっている場合もあります。
品種によって、空洞ができやすい品種とそうでない品種があります。
■主な原因
・急激な肥大
中心空洞の主な原因は、イモの急激な肥大です。
肥大する時、ある程度はスムーズに肥大しないと、イモがあまり大きくならず、
小さなものばかりになりなります。
けれど、あまりに急激に大きくなると、
そのしわ寄せとして、中心に亀裂や空洞ができます。
イモが急激に肥大する要因としては、肥大期の高温や多肥、
広すぎる株間などがあります。
■対策
・栽培環境の改善
中心空洞を防ぐためには、急激な肥大を抑える必要があります。
イモが肥大する時期は、どうしても高温になりやすいです。
それまでは寒い日が続いていたのに、
急に日中に暑いと感じるくらいの日が続くこともあります。
そんな時、土の中のイモも気温の上昇を敏感に感じ取り、
イモの肥大速度が上がります。
敷きワラをするなどして、乾燥や土の中の温度が上がりすぎるのを防ぎましょう。
同じマルチでも、黒色のビニールマルチをしている場合、
そのままにしておくと、かえって地温が上がります。
この場合も、黒色マルチの上から敷きワラをかぶせるなどして直射を遮っておくと、
土の温度上昇を防げます。
この他にも、植え付け時の株間にも注意します。
タネイモを植え付ける時は、できるだけ間隔が均等になるようにします。
あまりにも株間が広すぎると、イモの肥大が促されるため、過剰肥大の原因になります。
植え付け時には問題なくても、発芽不良などによって、欠株が出ることもあります。
欠株が出れば、その分株間が広くなるので、それも急激な肥大につながります。
タネイモは植え付け前に、必ず選別を行い、傷みなどがみられるものは避けます。
また、植え付け前に発芽処理をしておくのもお勧めです。
・多肥にしない
ジャガイモを多肥の状態で栽培するのも、中心空洞の原因となります。
もともと、ジャガイモはそれほど多くの肥料を与えなくても、きちんと育ちます。
もちろん、ある程度の肥料は必要になりますが、過度な肥料は不調を呼びます。
中心空洞だけでなく、病害虫の被害が広がることもあります。
特に、イモが肥大する時期に肥料が効きすぎていると、
イモの急激な肥大を助長します。
多肥にならないよう、施肥設計を考えましょう。
■判断基準
亀裂や空洞ができていると、黒色心腐なども疑われますが、
黒色の変色があるかどうかで見分けることができます。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方