アイユタカ
アイユタカ
アイユタカは、素朴な外見ですが、使い勝手の良い美味なジャガイモです。
秋作もできるアイユタカの特徴と、栽培のポイントなどをご紹介します。
[アイユタカ]
・登録年 2003年
・登録番号 ばれいしょ農林48号
・作型 春作、秋作
・主な産地 長崎県、温暖地
・特性 やや粘質
・栽培難易度 中級
■アイユタカの特徴
・皮が滑らかで目が浅い
アイユタカは、デコボコの少ない男爵のように、丸くてコロンとした形です。
表面の皮はすべすべで、滑らかな質感をしています。
男爵に比べると芽が浅いのも特徴です。
ジャガイモは芽の部分が深いと、皮を剥く時に面倒に感じることがあるので、
芽が浅いジャガイモは皮むきが楽です。
皮はベージュで、標準的なジャガイモの色です。
皮を剥くと、中は少し黄色が強い色をしています。
調理前の見た目も良いですが、
皮を剥いて調理した後も、色や感触が良いジャガイモです。
・火が通りやすく味が染み込みやすい
食味の良いデジマを親にもつためか、アイユタカも食味が非常に良い品種です。
加熱した時の火の通りが早く、味の染みこみも良いです。
イモの大きさにもよりますが、似たようなサイズのジャガイモとアイユタカを、
同じように茹でると、アイユタカの方が早く火が通ります。
普通なら20分茹でるところ、アイユタカなら15分ほどで済むほどです。
そのため、調理する時には火が早く通ることを計算に入れておくことも大切です。
男爵ほどの粉質ではありませんが、メークインほどの粘質でもありません。
やや粘質寄りではあるものの、中くらいの食感です。
粉質と粘質の良いところどりをしたような食感で、
舌触りが滑らかなのがアイユタカの特徴でもあります。
また、ビタミンCの含有量が多いので、
風邪予防や美容にも効果的な品種となっています。
・センチュウに抵抗性
アイユタカはセンチュウに抵抗性のある遺伝子を持っています。
肉じゃがにとても美味しいです
■アイユタカの栽培のポイント
・二期作可能
アイユタカは、春と秋の二期作が可能な品種です。
秋作が可能な品種ということもあり、温暖な気候の地域が適しています。
・病気に注意
センチュウに抵抗性があるものの、病気には少し弱いです。
特にそうか病、青枯病、疫病に弱いため、注意が必要です。
これらの病気は、ジャガイモ栽培において要注意な病気ばかりです。
土壌から感染することも多いので、清潔な土壌で栽培するようにしましょう。
・芽焼けに注意
アイユタカは、秋作で育てた後の休眠がやや長めです。
そのため、春作での植え付け後、芽が出るのが少し遅くなることがあります。
この時、穴なしのマルチを利用していると、
芽が出るのが遅くなるため、気温が高くなるにつれ、マルチ内も高温になります。
マルチの内側が高温になった状態で芽が地上に出ると、
芽焼けと呼ばれる状態になり、大事な芽が傷む原因となります。
穴なしマルチを使う場合は、芽焼けしないよう、毎日芽が出ていないかチェックし、
出ていたらすぐに穴をあけるようにしておくと良いでしょう。
カレーにも、美味しい!
■アイユタカのオススメの食べ方
アイユタカは、粘質と粉質の中間くらいの食感のため、
幅広い料理に使うことができます。
火の通りが早いので、加熱時間が短くて済みます。
粉質と粘質の両方の性質を持っているため、こふきいものような、
表面が粉っぽくなる料理も、煮込んで味を染み込ませる料理の両方に使えます。
フライにする時は、あらかじめレンジで加熱したものをカットして高温で揚げれば、
表面はカリっと、中はほくほくのフライドポテトができます。
加熱して潰した後、ポテトサラダやコロッケに加工するのも合う品種です。
食感が滑らかな中に、ほくほく感と少しのねっとり感があります。
煮物にする場合は、火の通りが早いことをふまえて、最初に加えて煮るようにします。
味の染みこみが良いので、肉じゃがなどに使うと良いでしょう。
火の通りが早いので、炒め物にも意外と使えます。
千切りにしたアイユタカをベーコンなどとさっと炒めれば、
簡単にしかも短時間で一品が作れます。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方