ジャガイモ 花が咲かない
ジャガイモの花
ジャガイモの花を見たことがありますか?
ナスやトマトに似た花で、色は品種によって白、紫など様々です。
栽培中に実をつけるためでなく、花を楽しめる数少ない野菜です。
しかし、花が咲かないうちに収穫時期がきてしまうことがあります。
また、花を咲かせると体力が奪われるような気もします。
ジャガイモ栽培では、花は咲いた方が良いのでしょうか。
また、花が咲かないのには、何か理由があるのでしょうか?
[ジャガイモ 花が咲かない]
■花は咲いた方が良い?
ジャガイモはタネイモを植え付け、しばらくすると芽が出てきて、
それがぐんぐん伸びてきたと思ったら、先端に蕾をつけ、花を咲かせます。
けれど、植物にとって花を咲かせることは、とても体力を使うことです。
ナスやキュウリにように、花を咲かせた後に実をつける野菜であれば、
花を咲かせなければ実もつかないので、当然のように花を咲かせます。
ストロン
ところが、ジャガイモはタネイモから発生した芽が生長すると、
土に埋まっている茎の部分からストロンというものを伸ばします。
そしてそのストロンの先端に新しいイモを作って育てるのです。
つまり、ジャガイモが新しいイモを形成するのに、花は不要なのです。
そういうことであれば、体力を使う開花はしない方が良さそうですね。
けれど、開花してもしなくても、イモの肥大にはほとんど影響がありません。
ジャガイモには、花を咲かせても、イモの生長には問題がないようです。
花芽がついた時に、体力の消耗を気遣って花芽を摘む方がいますが、
できればやめておいた方が良いでしょう。
花芽を摘んだとしてもイモの肥大にはあまり関係ありませんし、
摘んだところから病原菌が入り込み、病気にかかる可能性が高くなります。
ジャガイモ栽培では、花が咲いても咲かなくても、
イモが大きく育ちさえすれば、どちらでも構わないということです。
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■開花品種で花が咲かない原因
では、なぜ花が咲かない場合があるのでしょうか。
同じ場所で育てていても、
花が咲いたり咲かなかったりする場合があるので原因をまとめました。
・花が咲かない品種
ジャガイモは、品種によっては花が咲きやすいものと、咲きにくいものがあります。
育てやすさと多収穫なメークインは花が咲きやすい品種ですが、
男爵薯はやや花が少なくなる傾向があります。
他にも、花がほぼつかない品種もあるので、
まずは育てている品種が開花できる品種なのかを調べておきましょう。
花が咲きにくい品種であれば、咲かなくても問題ではありません。
・窒素の過不足
花が咲きやすい品種なのに開花しない場合は、窒素の過不足が考えられます。
ジャガイモは肥料が少なくても育ちますが、一定量ないと生育不良になります。
窒素が極端に少ないと花が咲かず、
窒素が多い状態では茎葉ばかりが茂って花が咲きません。
極端に多かったり少なかったりすると異常が出るので、
標準内におさめるように元肥と追肥を調整するのがポイントです。
・生育不良
日照不足や水切れ、高温乾燥など、枯れはしないけれど、
生育が悪くなる条件下で育てると、生育不良で花が咲きにくくなります。
ジャガイモに合った環境で栽培し、
その年の天候によって水やりなどの頻度を変える必要があります。
・深植えにした
タネイモを深植えすることでも、花が咲きにくくなることがあります。
タネイモを植え付ける時の基準は、5cm~7cmほどの厚みでの覆土です。
マルチ栽培するために深めに植え付ける場合でも、8cm~10cmが目安です。
土寄せの手間を省略しようと、あまりに深くに植え付けると、
萌芽して地上に芽が出てくるまでに時間がかかりすぎます。
そのため、その後の生育時期がずれこんでしまい、
生育不良と同じ状態になって花を咲かせることができずに終わるので、
適切な深さで植えるのが、いちばん良いです。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方