ジャガイモの土作り
土づくりから始まるジャガイモ栽培
ジャガイモ栽培を開始する時、
タネイモの定植から始まると思われることが多いですが、
ジャガイモ栽培はタネイモの植え付けよりも前から始まります。
タネイモの植え付けよりも先に行う大切な作業、それが土作りです。
ジャガイモ栽培では、土作りをどのように行うのでしょうか。
[ジャガイモの土作り]
■ジャガイモの土作りのポイント
ジャガイモのイモは、土の中で育ちます。
けれど、土作りが大切なのは、それだけが理由ではありません。
ジャガイモのタネイモを植え付けた後、土の中から芽が出てきます。
その芽は茎葉を広げながら育ちます。
この茎葉が太陽の光を受けることで光合成を行い、生育に必要な養分を作ります。
地上部の茎葉を支えているのは、地下の根の部分です。
つまり、地下のイモや根を育てるのも、地上部の茎葉を育てるのも、
土がとても重要ということになります。
まずは土作りを行うためのポイントを、ご紹介します。
・土作りをする時期
ジャガイモは春作がメインとなることが多いですが、
栽培する地域や品種によっては、秋作が可能になることがあります。
春作の場合は、タネイモの植え付けは2月下旬から3月初旬で、
秋作は8月下旬から9月初旬となります。
タネイモを植え付けるまでに、栽培する場所の土作りを終えておく必要があります。
土作りでは堆肥や腐葉土を混ぜ込むため、土になじむまでの時間が必要です。
この時間を考慮すると、植え付けの2週間~1ヶ月前に土作りをしておくと、
植え付け時期には土が良い状態になります。
植え付け時期に慌てて土作りを行わなくても良いように、
タネイモの植え付け時期から逆算して、土作りを始める時期を決めておきましょう。
12月~1月頃は、家庭菜園でもあまり作業がない時期なので、
この期間を利用して、ジャガイモの栽培計画を練るとともに、
春以降の菜園計画も作っておくと良いでしょう。
・土作りの手順
ジャガイモ栽培での土作りの手順は、他の植物とそれほど変わりません。
難しいことは特にありませんが、丁寧に行うことによって、
ジャガイモの生育も良くなります。
◎土作りの手順
1.栽培する場所を、20cm~30cmの深さまで掘ってしっかり耕します。
2.堆肥を1㎡あたり500g、苦土石灰を50g加えて土と混ぜます。
3.畝幅50cm株間30cmの畝を立てます。
4.マルチを植え付けよりも先にかぶせる場合は、畝を立てた後にマルチを張ります。
土作りでジャガイモの美味しさと収量がほぼ決まります
■ジャガイモの土作りでの注意点
ジャガイモ栽培での土作りに、難しい手順はありません。
けれど、少し注意しながら土作りを行うことで、
ジャガイモの生育が良くなり、病気にかかりにくくなります。
ジャガイモ栽培での土作りを行う上での注意点をまとめたので、
ぜひ参考してください。
苦土石灰や草木灰の与え過ぎに注意します
・アルカリ性に注意
ほとんどの野菜を育てる時、
土作りの段階で石灰などのアルカリ性資材を土に混ぜます。
これは、日本が雨の多い国で、土が酸性に傾きやすいためです。
ところが、周りの環境などによっては、意外と酸性になりにくいこともあります。
それなのにアルカリ性の資材を土に混ぜ続けていると、
酸性になるどころか、土がどんどんアルカリ性に寄ってしまいます。
ジャガイモ栽培では、土がアルカリ性に傾いていると、
そうか病と呼ばれる症状が出やすくなります。
土作りでは、苦土石灰や草木灰を加えますが、
すでに土がアルカリ性に寄っている場合は、控えるようにします。
ジャガイモを育てる場所の酸度が分からない場合は、
簡易的にでも、一度チェックするのがお勧めです。
・石や土の塊に注意
土作りの時に、必ず土を掘って耕しますが、
この時に一緒に行いたいのが、大小の石や古い根などの除去です。
以前に育てていた植物の古い根には、病原菌が住み着いていることがあり、
硬くなってジャガイモの生育の邪魔になることがあります。
石も同じように、根やイモの生育の邪魔になることがあるので、
見つけたらその都度取り除いておきましょう。
また、土や堆肥、腐葉土の塊があるのも良くありません。
手でほぐすなどして、塊がないようにしておくことで、
根が良く張ってイモも肥りやすくなります。
水はけと水もちの良い土で、元気に育ち良いイモを作ってくれます
・水はけと水もちに注意
ジャガイモは、水はけと水もちの良い土を好みます。
何年も栽培を続けて、すでにふかふかの土になっている場合は、
必要な堆肥などを加えるだけで良いです。
まだ栽培を初めて間もない場所や痩せた場所では、土の状態が悪く、
ジャガイモ栽培に適さないことがあります。
その場合は、まず土を掘り返してよくほぐし、
不要な石や根を取り除いた後に、腐葉土や
赤土などを混ぜて、水はけと水もちが良くなるように調整します。
何年も続けていると、だんだんと肥沃でふかふかの土になっていきます。
土作りは、定植直前に行うだけでなく、常に意識して取り組むことも重要です。
最初は硬くてクワも入らなかったような痩せた場所も、
土作りを続けると、状態が良くなり、野菜が育ちやすい土へと変わっていきます。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方