ジャガイモ 黒色心腐
ジャガイモは、栽培中にこまめに収穫できませんが、最後に一気に収穫ができます。
ゴロゴロとたくさんの新しいイモが収穫できると、とても嬉しくなります。
収穫してすぐの新ジャガイモは、みずみずしさがあっておいしいですし、
貯蔵して熟成させておいしくなるジャガイモもあります。
ところが、いざ食べようとイモを切ってみると、中が黒くなっていることがあります。
こういった症状を、黒色心腐(こくしょくしんぐされ)と呼びます。
ジャガイモが黒色心腐になるのは、いったいなぜなのでしょうか。
[ジャガイモ 黒色心腐]
■主な症状
・塊茎の中心の変色
黒色心腐では、塊茎の中心が変色するという、特徴的な症状が出ます。
変色部分は、紫色を帯びたような黒色から真っ黒な色をしていて、形は不整形です。
表面上は特に症状がでないことがほとんどのため、
切ってみて初めて症状が出ていることに気づきます。
症状が出た部分そのものが不整形なため、切った角度によっても見え方が変わります。
変色部分には異臭などはありませんが、健全な部分に比べると、
ややゴムのような強い弾力のある感触に変わります。
変色部分の乾燥などにより、亀裂や空洞が起こることもあります。
基本的には、表面に症状が見えることは少ないですが、
稀に表面にも目立つ変色が起こることがあります。
表面に症状が出れば、それをはじくことは簡単ですが、
内側にのみ症状が出ている場合は、発見が遅くなります。
■主な原因
・高温と通気不良
黒色心腐は、通常貯蔵中に発生する生理障害で、
収穫前のイモに症状が出ることはほとんどありません。
症状発生の原因となるのは、貯蔵中の高温と通気の悪さです。
黒色心腐は、イモが窒息状態になることによって、起こるといわれています。
高温状態になると、イモの休眠が破れ、急激に酸素を必要とします。
この時に通気性が悪いと酸素が足りずに窒息状態となり、
黒色心腐の症状が起こるのです。
■対策
・温度管理と通気性
黒色心腐の症状を出さないためには、
収穫後から貯蔵中の温度や通気性に注意します。
ジャガイモは貯蔵性が高い野菜です。
黒色心腐が起こるかどうかは別にしても、涼しく通気性の良い環境で貯蔵することが、
長く貯蔵できるポイントになります。
症状が出てしまった後は、何をしても元に戻ることはありません。
自宅で消費する分には、変色部分を取り除くだけで済みますが、
商品として販売するとなると価値が下がることになりますし、
選別ではじくことが難しくなります。
後々、クレームの元になる可能性もあるので、予防を怠らないようにしましょう。
■判断基準
黒色心腐は、症状がイモの中心に出ることが多く、表面にはほとんど出ません。
見た目から症状が出ているかどうかの判断ができないため、
発見が遅れるケースが多いです。
変色部分が少ないイモは、変色部分を取り除いてしまえば、食べることは可能です。
ただ、黒色心腐の症状が出ているイモは、タネイモとしては不適切です。
また、商品としては価値が下がるので、
できるだけ症状が出ないように予防することが大切です。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方