ジャガイモ 芽かき方法
芽かきをしないと、収穫量が極端に減ります
ジャガイモ栽培の大切な作業の中に、芽かきがあります。
良い芽を3~4本残して芽かきをすると、イモの太りがとても良くなります。
さらにジャガイモの収穫量と品質もたいへん良くなります。
芽かきとは、どのような作業かを、わかりやすくご説明します。
[ジャガイモ 芽かき方法]
■芽かきとは?
芽かきとは、ジャガイモから複数の芽が出てきた時に、
優良なものを選抜して残し、あとは抜きとってしまう作業のことです。
ジャガイモの場合は、1つのタネイモから複数の芽が出ることが多いです。
しかも2本や3本ではなく、多い時には10本近くも芽が出ることもあります。
たくさん出た芽を摘んでしまうのは、少し気が引けます。
特に間引きや芽かきの作業に慣れていない、初心者の方だと、
抜いては収穫量が減るのではと不安になることもあるでしょう。
ところが、ジャガイモの芽が出ただけ全部育ててしまうと、
最終的に収穫できるイモの量が減ってしまいます。
ジャガイモは、タネイモから芽が出て地上に出ます。
地上に出た茎や葉は、太陽の光を浴びて光合成を行います。
ストロンの先にイモが付きます
ジャガイモは、土に埋まった状態になっている茎からストロン=匍匐枝(ほふくし)と、
呼ばれるものを発生させ、その先端に新しいイモを作ります。
つまり、芽の数が多いほど、ストロンの発生が多くなり、イモの数も増えます。
これだけ聞くと、数が増えると良いと思えますが、実はそうではありません。
芽の数が多い状態で、ストロンの数が増え、イモの数も増えると、
それぞれのイモを生長させようとするため、養分が分散してしまいます。
地上部で光合成をし、根から養分を吸収しても、まかなえる量は限られています。
芽の数が多い状態でジャガイモを育てると、小粒のジャガイモしか育ちません。
それも食べられるほど育てばまだ良いですが、
小指の先ほどの大きさにしかならず、食べられないこともあります。
同じ株数だけ育てた時、芽かきをした場合としなかった場合とでは、
収量に明らかな差が出ることも多いです。
ジャガイモ栽培で、芽かきが重要とされるのは、こういった理由からなのです。
■芽かきのタイミング
芽かきの作業を行うタイミングは、芽が10cmほどの高さまで生長した頃です。
芽の数が多く出た10cm頃の状態であれば、その中から残す芽を選びやすいです。
また、ある程度の長さがなければ、芽かきがしにくいので注意しましょう。
■芽かきのやり方
芽かき自体は、特に難しいことはありません。
コツさえつかめば、初心者の方でも簡単に行えます。
3~4本の元気な芽を残して芽かきをします
◎芽かきの方法
1. ジャガイモの芽が10cmくらいの高さまで育ったら、3~4本残す芽を選びます。
2. 芽かきをして取り除く芽の株元近くを持ち、片方の手では株元を押さえておきます。
3. 取り除く芽をゆっくりとひねりながら引いていくと、ブツッとタネイモから芽が外れる感覚がします。
4. タネイモから芽が外れたら、そのまま引き抜いて芽を取り除いておきます。
5. 芽かきをするすべての芽を取り除いた後は、土寄せをしておきましょう。
*かいた芽を20cm間隔くらいに植えておくと、ジャガイモができます。
■芽かきの注意点
芽かきの作業自体は、あまり難しいものではありません。
少し注意をしておきたいことがいくつかあります。
・芽の選び方
残す芽の選び方は、太くて勢いのある芽かどうかを見ることです。
茎が太くて勢いのあるものは、その後の生育も期待できます。
反対に細くて弱々しい芽や、草丈は高いけれど、
ひょろりとしているものは避けるようにしましょう。
株本を押さえながら、芽を抜きます
・株元を押さえる
芽かきを行う時は、必ず株元を押さえて作業をします。
芽かきは、タネイモから芽を取り外す作業のため、押さえず作業を行うと、
タネイモ自体が土から出てしまうことがあります。
タネイモが地上に出なくても、もともと埋まっていた場所から浮き上がり、
根が傷んだりすることがあるので注意しましょう。
・ハサミを使わない
芽を摘むだけなら、ハサミを使った方が早いように思えますが、
ハサミは使わない方が良いでしょう。
というのも、ハサミでは地際までしか切ることができません。
地際まで切っても、地中にはまだ芽が残っています。
ハサミだと残った芽から脇芽が発生し、また新しい芽が出てきてしまうので、
付け根からしっかり抜くことがポイントとなります。
また、何らかの病気に感染した植物を切ったハサミだと、
そのハサミで茎を切ったジャガイモも、切り口から感染することがあります。
ジャガイモは育てやすい反面、かかると厄介な病気もあるので、
余計な感染経路は排除するに越したことはありません。
・芽が途中で切れたら
もし引き抜く途中で、芽が切れたら、再び芽が出てくるまで待ちましょう。
残った芽を摘むために土を掘ると、周りの根などを傷めてしまう原因となります。
残った芽の状態によっては、切れた後に自然と枯れてしまうこともあるので、
そっとしておいた方が安心です。
もし残った芽がまた出てきたら、その時はまた同じように芽かきを行い、
芽を取り除きましょう。
*芽かきの後に土寄せ、追肥の作業を行います。
■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方