スタークイーン

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スタークイーン

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スタークイーン  C)日本いも類研究会

 

 

スタークイーンは、それまでのジャガイモ品種にはなかった

耐病性と抵抗性を持った品種として、

一時的とても注目されていました。

 

現在はあまり栽培されていないスタークイーンの特徴や、

栽培のポイントやお勧めの調理法などをご紹介します。

 

 

[スタークイーン]

 

 

・登録年 2000年
・登録番号 ばれいしょ農林40号
・作型 春作、秋作
・主な産地 北海道
・特性 煮崩れしやすいやや粉質
・栽培難易度 中級

 

 

■スタークイーンの特徴

 

・ごろんとしたジャガイモらしい姿
スタークイーンは、見た目がごろごろとした、

ジャガイモらしい姿をしています。

 

横から見ると、少し扁平になっているのですが、

男爵のような、ジャガイモらしいジャガイモです。

 

しかし、男爵などの目の深い品種と比べると、

比較的スタークイーンの方が目が浅いので、

加工や調理の時に皮むきをしやすいのがメリットです。

 

・熟期が遅く普及は進まず
スタークイーンは、

ジャガイモシストセンチュウに抵抗性を持ち、

さらにそうか病に比較的強い性質を持った、

アメリカのジャガイモ品種「Atlantic」を母親に持っています。

 

父親はそうか病に抵抗性のある品種で、

同じアメリカの「Cherokee」という品種です。

 

ジャガイモ栽培では重要となる、

センチュウとそうか病に強い品種として、

スタークイーンは当初かなり注目を浴びていました。

 

北海道の奨励品種にも指定されていたのですが、

熟期がやや遅めであることと、

数年後に出てきたスノーマーチの方が人気だっため、

栽培面積が減り、現在は奨励品種からははずれています。

 

それでも、食味は中の上であることと、

それまではほとんどなかった、

センチュウとそうか病に強いという性質を持った、

非常に貴重な品種であったことは変わりません。

 

・加工後の変色が少ない
スタークイーンは、表面の皮の色が白っぽい黄色をしていて、

内側の肉色は黄色っぽい白色をしています。

 

それほど悪い色というわけではないのですが、

肉色がより白に近い方が人気が高くなる傾向にあるため、

肉色の白さでもスノーマーチに人気を奪われたのかもしれません。

 

スタークイーンは、

食味が中の上くらいの品種で、加工にも向いています。

 

揚げ物や煮物にも使え、しかも調理後の変色が少ないのが特徴です。
水煮にした時の黒ずみはほぼなく、

油で揚げた時の褐変もほとんど見られません。

 

 

スタークイーンのコロッケは最高です!

 

 

■スタークイーンの栽培のポイント

 

・株の大きさは中程度
スタークイーンの株の大きさは、中程度です。
茎は比較的直立で、横張が大きい品種というわけではありません。

 

熟期が近づき、地上部が枯れてくる時期になっても、

草丈がそれほど高くなる品種ではないため、

倒伏することはあまりありません。

 

ただ、栽培環境によっては、倒伏することもあります。
心配な場合は、ビニールマルチを活用して栽培するか、

支柱と紐を使い、倒伏しないように工夫しておくのがお勧めです。

 

・病斑か模様かに注意
スタークイーンは、ジャガイモシストセンチュウやそうか病、

粉状そうか病に強い性質があります。

ただ、葉巻病やモザイク病には弱いところがあります。

 

ジャガイモがかかると厄介な病気の中に、

ウイルス病というものがありますが、

これの症状として、病斑が出るというものがあります。

 

スタークイーンは、茎の地の色が緑色なのですが、

健康状態でも、赤紫色の斑点が出る場合があります。
これをウイルス病と勘違いしてしまうことがあります。

 

反対に、スタークイーン特有の模様と思い込んでいたら、

実はウイルス病にかかっていたということもあるので、要注意です。

 

・花は少ないが美しい
ジャガイモにも花が咲きますが、

色には意外と幅があります。

スタークイーンの場合は、薄い紫色の花が咲きます。

 

色は薄く、花数もそれほど多くはありませんが、

スラリと伸びた花茎の先に、数少なく咲く花は、

なかなか風情があります。

 

ジャガイモは花の後に実をつけますが、

スタークイーンは花を咲かせても、

実をつけることはほとんどないようです。

 

 

■スタークイーンのオススメの食べ方

 

スタークイーンは、風味自体はそれほど濃厚ではなく、

どちらかというとあっさりとしてるタイプです。

 

それでも、やや粉質の肉質は食感が良く、

どのような料理にも向くので、食味はまずまずです。

 

スタークイーンは、男爵よりは煮崩れしにくい、

けれどメークインよりは煮崩れしやすいやや粉質のタイプです。

 

男爵ほどの煮崩れのしやすさではないため、

肉じゃがやシチューなどの煮込み料理にも使えますが、

長時間煮込むと煮崩れるので、

ずっと煮込んで味を染み込ませるものにはあまり向きません。

 

粉質のジャガイモ特有の、ほくほくとした食感があるので、

コロッケやポテトサラダといった、

ジャガイモの王道メニューにも向きます。

 

また、油との相性も良いので、

フライドポテトやポテトチップスなどもお勧めです。

 

デンプン価も高いので、すりおろしたスタークイーンを焼くと、

もっちりとした食感が楽しめます。

 

ドイツ風のジャガイモのパンケーキや、

すりおろしたジャガイモを入れて作るチヂミなどは、

生地がもちもちとしてボリュームが出ます。

 

■参考
・ジャガイモ 地植えの栽培
・ジャガイモ プランターの栽培
・ジャガイモ 芽かき方法
・ジャガイモ 土寄せ方法
・ジャガイモ タネイモ販売
・ジャガイモ タネイモの選び方


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